児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「URLを拡散するだけであれば、リベンジポルノ防止法の適用はないのではないかと思います。」という弁護士のコメント

 客観面では、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律3条1項・2項の公表罪になって、リベンジポルノ性の認識(「公開承諾があると思っていた」等)に難があって、検挙しにくいということだと思います。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H26/H26HO126.html
(私事性的画像記録提供等)
第三条  第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
3  前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
4  前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
5  第一項から第三項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う。

https://www.bengo4.com/c_1009/n_6397/
「URLを拡散する行為については、今のところ、『提供した』にあたるかどうか判断された例はありませんが、『公然と陳列』(同法3条2項)と異なるものとされていることからすれば、『提供』とは、動画・画像をインターネット上に掲載する行為を指すものと思われます。

そのため、私見ですが、URLを拡散するだけであれば、リベンジポルノ防止法の適用はないのではないかと思います。

もっとも、リベンジポルノ防止法は、その通称からリベンジポルノ事案にしか適用がないかのように思われがちですが、『目的』が要件とされていません。そのため、単に拡散しただけでも『提供した』として、同法が適用される可能性もないわけではありません。

しかし仮に、リベンジポルノ防止法の適用がないとしても、URLを拡散することは、別途、名誉毀損にあたらないかどうかが問題になります。

よくわかるリベンジポルノ防止法 立花書房
p69
3条の処罰対象は、私事性的画像記録を撮影した者や被害者から直接提供を受けた者に限られるのですか。
1 本罪の行為主体は、条文上特に限定されておらず、私事性的画像を撮影した者や撮影対象者から直接受け取った者(以下「撮影者等」)のみならず、撮影者等から二次的に取得するなど、何らかの方法で入手した者についても本罪は成立します。
私事性的画像記録の公表等による被害者の性的プライバシーの重大な侵害行為は、撮影者等に限らず、情を知って私事性的画像記録を公表する第三者であっても行うことができるからです。
2例えば、インターネットの掲示板サイト上で既に公開されていた私事性的画像記録を、撮影者等と無関係の者が偶然に発見し、私事性的画像記録であるとの情を知りながら、撮影対象者を特定する情報とともに別のサイトに転載するなどして拡散させた場合でも、3条の各要件を満たす限り、本罪は成立します。
ただし、そのような場合、私事性的画像記録等であることの認識をはじめ、行為者の故意などの主観的要件を慎重に吟味する必要があるでしょう。
p78
私事性的画像記録のURL(ウェブサイトのアドレス)をウェブページで公開したり、掲示板上にリンクを貼り付
けたりする行為はどうですか。
1 私事性的画像記録(画像データ)のURLをウェブページで公開したり、掲示板上にリンクを貼り付けたりする行為は、「公然と陳列した」に該当するでしょうか。
2 この点、最高裁は、児童ポルノ禁止法について、他人がウェブページに掲載した児童ポルノのURLを明らかにする情報を、他のウェブページに掲載する行為が同法7条4項(現7条6項)にいう「公然と陳列した」に該当するとした原審判決(大阪高判平21 ・10・23)を是認しています(最決平24・7 ・9)。
この判断に従えば、リベンジポルノ防止法においても、そのような行為は、「公然と陳列した」ものとして私事性的画像記録物公表罪が成立し得ると考えられます。
3いずれにせよ、公然陳列要件に該当するかどうかの解釈に当たっては、同様の要件について、児童ポルノ提供等の罪や刑法のわいせつ物頒布等の罪で示された裁判例も参考にしつつ、具体的事例に則して考える必要があります