児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪における「監護者」とは?~少年法から

 少年保護手続の関係者としての定義をそのまま刑罰法規の構成要件に取り入れて問題ないのか。
 児童が婚姻した場合にどうなるのかという問題も出てきます。

 「監護する者」というのはあちこちの法文にありますが、

e-gov
検索指定用語 「監護する者」 AND検索(全法令) 
該当件数 8 件中 1 ~ 8 件分を表示しています。
選択 該当法令名 該当法令番号
選択 子ども・子育て支援法 (平成二十四年八月二十二日法律第六十五号)
選択 家事事件手続法 (平成二十三年五月二十五日法律第五十二号)
選択 行方不明者発見活動に関する規則 (平成二十一年十二月十一日国家公安委員会規則第十三号)
選択 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令 (平成二年五月二十四日法務省令第十六号)
選択 母子保健法 (昭和四十年八月十八日法律第百四十一号)
選択 少年法 (昭和二十三年七月十五日法律第百六十八号)
選択 児童福祉法施行規則 (昭和二十三年三月三十一日厚生省令第十一号)
選択 児童福祉法 (昭和二十二年十二月十二日法律第百六十四号)

 刑事法で出てくるのは少年法だと思います

少年法
第二条
 この法律で「少年」とは、二十歳に満たない者をいい、「成人」とは、満二十歳以上の者をいう。
2 この法律で「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に◆監護する者◆をいう

ocrの誤変換で読みづらいですが、心眼で読んで下さい。

少年法実務講義案(三訂版)」2017司法協会p46
第8章事件の関係人
第1 保護者
1 意義
保護者とは.少年に対して法律上監護教育の義務有る者及び少年を現に監護する者をいい(法2Ⅱ) . Ii1者を法イ'1」。.の保洪淵・・後者を1$笑止の保護打という□
保捜荷・については, iil.に.少イ|聯‘ ll手統における地位や役割だけを考えるのではな
く, 少年の非行から岐終的il/ZちIII[ I)に至るまでの関わI) .つまり少イ|§の保謹全休の流れの中において. 少年群判手続というj"miをと‘う讐えていくかが人切である。それ
は.少年の保謹行成が'1《|家機関による鏑IIZ教育だけで可能なものではなく、保識者の監謹, 協力があって初めて達成できるものであるからである、保護処分1 ' 1.保批観察にあっては. 目'七における保護打。(糊) と少年との人IIIl l卿係が砿要な要素であI) .少イ|畠院送致にあっても院|ノ1での教育が終j'すれば.退院(仮退院) し,社会に戻るのであるから. やはりli1じ状況が生じる『少年院イf院! | !の孜育においても, 少イドのやる気やlW'l' l'l9安定のためには側lmからの保I潅判・の協力が必要である。
これらのllll題解決のために,保護処分に付する前の少イ|辮判手続の中での具体的な
保謹将の地位.役割が論ぜられている。
(1) 法律上の保護者
少年に対し、法律121儲護教育の義務ある汁としては. 親権者・(lt":818. 819.820) . 親椛代イj:者(災法833. 867).怖獲荷(氏法749. 766, 771. 788)、未成年後兇人(1t法839, 841. 857)及び児童柵祉施設の災(児陥法47)等がある‘
(2) 事実上の保護者
少年を現にI朧波する荷としては. 少年を1跳止. いわば親代わりとして現に!臓喚しておれば足り.必ずしも少イ|ミとl'ilル'}している必要はないが. ある程度継続的に少年の姓活全般にわたって. 一般的に朧'|\, 綿I 雌していることが必要であると解されているゞしたがって. 住み込み就労! | !の雁主. 簾又は寄術村の叢長又は奔騰. jl!親,継父|ソ言.親椛勝の委託により又はその他の,II,l・,'iにより親椛者に代わって少年を保謹朧杼する親族(例えば.親椛粁でない災父又は災Iリ)などがこれに)'1たる‐ただ.迎勤している少年の雁iミや'γ:校の教師簿は. ・般的には4町き上の保護渦・にI"'1しないであろう. また. やくざの親分.光榊i『iのi《人,誘拐. 暴力行為によって少年を支配している者などはたとえ外側刷跳kの'儲謹を行っていたとしても. 斗跳kの保渡者に該」11しないと考えられる( ミ少、|汎I -)1x86)。
(3) 法律上の保護者と事実上の保護者との関係
り#実上の保護荷は,法律lさの保謹荷がないか.現に監護を行っていない場合に初めて認められるとする見解と.法律上の保護荷が監謹を行っているか否かにかかわらず, 1'11者は重襖して存在し得るとする兄解とがある。
実際|皇の問題として.例えば親椛苫である父が|W婚し、実父と継川:が典|可して少年を監謹している場合などを考えれば, 後判・の兇解が妥当のように思われる。
法律|皇の保護村,特に法定代理人である保i獲者のほかに,事実上の保識者が認められ、その荷を保護稀としてIIyび出すのが机、\であったとしても.法定代理人の保謹処分決定に対する抗告椎を実質的に保|瞳するために.法定代理人もなるべく辮判期日に呼び出すよう配慮する取扱いが望ましいといわれている二
(4) その他
少年が幡姻した場合に. その父lf又は配偶荷は.保挫折とな')得るかという問題がある。少年が幡姻すれば,父雌. 配偶苫とも法律上の保漉者に該>I1しないことは明らかである。したがって. 後に述べるように抗告椎がなくなることに注意しなければならない。4;実上の保談行については. それが実際的な概念であるところから, 父杜とlil届している場合や配偶者が成人の場合には. これに当たる場合があろ
うといわれている。
また. 20歳以上の:哲に対して. 少年法が適用又は準用される場合(更ノ|ミ保樅法68Ⅱ,準少年保護li件),保洪者に相>I1するものを認めるべきかどうかについても間迦があるが.実質''19に保謹荷的立場にある者を審判に立ち会わせ、意兇陳述の機会を与えているのが実務上の取扱いである(改少脚f)251, 412、487)

コンメンタール少年法p47
保護者
保護者とは,少年に対して法律上監護教育の義務ある者および少年を現に監護する者をいう(少2条l項)。前者を法律上の保護者,後者を事実上の保護者という。
(1 )法律上の保護者
少年に対し,法律上監護教育の義務ある者としては,親権者(民818条'820条),親権代行者(民833条, 867条),監護者(民749条, 766条, 771条, 788条),未成年後見人(民839条, 841条, 857条)および児童福祉施設の長(児福47条)等がある。これらの立場にあれば,少年を現に手許に置いて監護教育を行っている必要はない。
財産管理権を喪失中の父母(民835)で、あっても法律上監護教育の義務がある者といえる
(2) 事実上の保護者
少年を現に監護する者であり,少年を事実上,いわば親代わりとして現に監護しておれば足り,必ずしも少年と同居している必要はないが,ある程度継続的に少年の生活全般にわたって,一般的に監督,監護していることが必要である(裁判所職員総合研修所(2012a)44頁)。したがって,住み込み就労中の雇主,寮または寄宿舎の寮長または舎監,里親,継父母,親権者の委託によりまたはその他の事情により組権者に代わって少年を保護監督する親族(例えば,親権者でない実父または実母)などはこれにあたるといえる。25条2項の試験観察における補導委託先の施設団体の責任者もこれに該当する場合がある(団藤=森田(1984) 25頁)。しかし,通勤している少年の雇主や学校の教師等は,一般的には事実上の保護者に該当しないであろう。また,保護者は法が一定の権利義務を認める法律上の地位であるから,例えば,やくざの親分,売春桁の主人,誘拐・暴力行為によって少年を支配している者などは,たとえ外観上事実上の監護を行っているように見えたとしても,事実上の保護者には該当しなし、(菊池(1972)3頁。
(3) 法律上の保護者と事実上の保護者との関係
事実上の保護者は,法律の保護者がないか,現に監護を行っていない場合に,初めて認められるとする見解(平場(1987)94)と,法律上の保護者が監護を行っているか否かにかかわらず,両者は重複して存在し得るとする見解(札幌高決s33・6・17家月10・7・70)がある。法律上の保護者,特に法定代理人である保護者のほかに,事実上の保護者が認められる場合,いずれを保護者として呼び出すのが相当であるかは裁判官が合理的に裁量し決定すべきであるが,保護処分に付するときには,特に法定代理人の抗告権の実質的保障に留意して,法定代理人もなるべく審判期日に呼び出すよう配慮する取扱いが望ましい。
なお,少年が婚姻した場合,父母および少年の配偶者とも法律上の保護者には該当しない。したがって,抗告権は有しないことになるが,事実上の保護者の地位は,実際的な概念であるところから,父母と同居している場合や配偶者が成人の場合には,これに当たると考えられる場合もあろう。