児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・強姦・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(強姦罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例違反)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ罪に時々出てくる「口淫させる」行為は、口腔性交罪か?

 法文には「第三者」という言葉はなくなりましたが、こういう行為が強制性交等罪として処罰されるのですが
  自己 陰茎 → 相手方 膣・肛門・口腔
  第三者 陰茎 → 相手方 膣・肛門・口腔
  相手方 陰茎 → 自己 膣・肛門・口腔
  相手方 陰茎 → 第三者 膣・肛門・口腔
 口腔性交というのは、「(暴行脅迫して、無理矢理)被害者の口に陰茎を挿入する(口に突っ込む)」という意味で、「口淫」の内、舐めるさせるのは含みませんよね。「口淫」のうち、被害者が陰茎を口に含ませるのが含まれるのかは不明ですが、多分、突っ込むのと同視するという判例ができるでしょう。


 法制審議会でも「これまでの議論においては,口腔内に陰茎を入れる行為を「口淫」という言葉で表現することも多かったのですが,この言葉は必ずしも口腔内に陰茎を入れる行為に限らず,もう少し広い意味,例えば女性器を舌でなめる行為などについても使われる場合があることから,従前の要綱(骨子)の内容を明確に示す意味では,この「口淫」という言葉ではなくて「口腔性交」との用語が適切であると考えたものです。」という説明があります。

法制審議会−刑事法(性犯罪関係)部会 > 第7回会議(平成28年6月16日)
http://www.moj.go.jp/content/001199100.txt
 これに対し,今回の要綱(骨子)修正案においては,「十三歳以上の者に対し,……性交……をした」という構成要件としており,客体の性別を問わないものとしておりますことから,「性交」との文言で,男性が女性の被害者の膣内に陰茎を入れる行為だけでなく,男性の被害者の陰茎を女性の膣内に入れる行為をも当然に含むものとして表現できていると考えています。
  同様に,「肛門性交」及び「口腔性交」についても,被害者の肛門内や口腔内に陰茎を入れる行為だけでなく,被害者の陰茎を肛門内や口腔内に入れる行為をも含むものとして表現できているものと考えています。
  また,修正案においては,誰の陰茎を誰の膣内等に入れるのかについて限定していませんので,被害者に第三者と性交等をさせる場合をも含むものとして表現できていると考えています。
  なお,これまでの議論においては,口腔内に陰茎を入れる行為を「口淫」という言葉で表現することも多かったのですが,この言葉は必ずしも口腔内に陰茎を入れる行為に限らず,もう少し広い意味,例えば女性器を舌でなめる行為などについても使われる場合があることから,従前の要綱(骨子)の内容を明確に示す意味では,この「口淫」という言葉ではなくて「口腔性交」との用語が適切であると考えたものです。
  さらに,括弧書きの定義を置かないこととしたことに伴い,括弧書きの中に書き込まれていました「相手方」という文言を用いる必要がなくなりましたので,この際,刑法176条の強制わいせつ罪と同様の構文として,「十三歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交……をした」という表現を用いることとしております。
  以上が要綱(骨子)修正案第一についての説明です。

http://www.moj.go.jp/content/001162242.pdf
別紙
要綱(骨子)
第一強姦の罪(刑法第百七十七条)の改正
暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の者を相手方として性交等(相手方の膣内、肛門内若しくは口腔内に自己若しくは第三者の陰茎を入れ、又は自己若しくは第三者の膣内、肛門内若しくは口腔内に相手方の陰茎を入れる行為をいう。以下同じ。)をした者は、五年以上の有期懲役に処するものとすること。
十三歳未満の者を相手方として性交等をした者も、同様とすること。

http://www.moj.go.jp/content/001224163.pdf
第二編第二十二章の章名中「姦淫」を「強制性交等」に改める。
第百七十六条中「男女に」を「者に」に改める。
第百七十七条の見出しを「(強制性交等)」に改め、同条中「暴行」を「十三歳以上の者に対し、暴行」に、「十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年」を「性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年」に、「女子を姦淫した」を「者に対し、性交等をした」に改める。
第百七十八条の見出し中「準強姦」を「準強制性交等」に改め、同条第二項中「女子」を「人」に、「姦淫した」を「性交等をした」に改める