児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

アダルトビデオへの強制的な出演等に係る相談等への適切な対応等について(通達)

 児童を使用した場合には児童福祉法違反(淫行させる行為・児童淫行罪)とか児童ポルノ製造罪がファーストチョイスになりますよね。

https://www.npa.go.jp/pdc/notification/seian/hoan/hoan20160617.pdf

アダルトビデオへの強制的な出演等に係る相談等への適切な対応等について(通達)
詐欺・脅迫的な言動を用いて強制的にアダルトビデオ(以下「AV」という。)に出演させられたり、出演を拒否した際、多額の違約金を請求され、出演を余儀なくされたりする事案については、各方面から問題提起され、現にこうした被害相談が警察に寄せられているところである。
本人の意に反してAVへの出演を強いるような行為は、精神的・肉体的苦痛をもたらす深刻な人権侵害であり、このような行為に対して迅速かつ的確な対応が求められることから、各都道府県警察において、この種の相談・被害申告が寄せられた場合には、下記について留意の上、適切に対応されたい。

1 各種法令の適用を視野に入れた取締りの推進
AVの契約、出演等に係る相談、被害申告、情報提供等を受理した際は、強姦罪等の性犯罪、強要罪、傷害罪、暴行罪、脅迫罪等の違法行為が介在する際の取締りはもとより、職業安定法第63条第2号(有害業務就業目的の職業紹介等)、労働者派遣法第58条(有害業務就業目的の労働者派遣)、労働基準法第5条(強制労働の禁止)、児童福祉法第34条第1項第6号(児童に淫行をさせる行為)その他関係法令の適用を視野に入れた取締りを推進すること

なお、職業安定法及び労働派遣者法の適用に際しては、
ア 両法は雇用関係を前提としているため、原則として、いわゆる営業委託契約、モデル契約については対象とならない
イ 契約の名目が委託契約等であった場合であっても、実態として雇用関係が認められれば対象となり得る
と解されているので、個別事案ごとに契約内容、実態等をよく確認した上で取締りの適否を検討すること。
2 契約に関する相談を受理した際の留意事項
民事における契約について、
ア 一般論として、女性側がAVへの出演を承諾していなければ、AVに出演することを内容とする契約としては成立しておらず、また、AVへ出演する契約として成立はしたとしていても、錯誤に基づくものであれば、その契約は無効である
イ 詐欺や脅迫に基づくものであったり、女性が20歳未満であれば、AVへの出演を承諾した意思表示を取り消すことができる
ウ AVへ出演する契約として有効に成立していたとしても、個別事情に基づき女性側から契約の解除をすることができるなどと解釈する余地もある

エ よって、
○ 当初はモデル契約等として、AVへの出演があることを知らずに女性が契約した
○ 「AVはないから」等とだまされて契約した、脅されて契約した
○ 当初はAVへの出演を承諾したが、その後、出演することが嫌になった
等の訴えがあった場合には、女性が出演を拒否できる可能性は高いが、もっとも、その契約について民事裁判でどのように認定・判断が下されるかは、個別事情によらざるを得ないと解されているので、AVへの出演に関する契約等の相談を受理した際は、これらを踏まえた適切な助言を行った上で、法テラス、弁護士等専門機関の紹介を行うなど、適切に対応すること。