児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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名古屋市β区内のマンション×階に停止しているエレベーターの出入口付近において,エレベーター内の奥側にいたC(当時17歳)に対し,「見てくれ。見てくれ。」などと言いながら,その面前で自己の陰茎を露出させて自慰行為をして射精する行為を強制わいせつ罪とした事例

 非接触型のわいせつ行為については、ちゃんと争って欲しいなあ。

名古屋地方裁判所
平成28年4月25日刑事第4部判決
第3 強いてわいせつな行為をしようと考え,同年11月26日午後8時38分頃,名古屋市β区内のマンション×階に停止しているエレベーターの出入口付近において,エレベーター内の奥側にいたC(当時17歳)に対し,「見てくれ。見てくれ。」などと言いながら,その面前で自己の陰茎を露出させて自慰行為をして射精するなどし,もって強いてわいせつな行為をした,
。。。
2 判示第3の事実について
 弁護人は、事実関係を認めた上で,判示第3の行為が強制わいせつに該当することについては疑問を呈している。 
 そこで検討するに,被告人は,マスクをして顔面を隠し,夜間,マンションのエレベーター内において,当時17歳の女子高校生であったCに対し,上記エレベーターの出入口(間口80センチメートル程度)を塞ぐようにして立ち,自身の陰茎を露出した上,数十センチメートルの距離に近づいて「見てくれ。」などと迫るように言い,Cが「やめてください。」と言うのも構わず,自慰行為を行ったことが認められる。このような状況からすれば,Cとしては,自慰行為にとどまらず,何らかの性的な行為をされるかもしれないと感じ,抵抗することが著しく困難になると認められる。したがって,被告人の行為は脅迫に当たる。
 また,被告人は,上記のとおり,エレベーター内という狭く逃げ場のない空間で,至近距離にいるCの面前で自慰行為を行った。このような行為は,明らかにCの性的羞恥心を害し,その性的自由を侵害するものであるから,わいせつ行為に当たる。なお,Cは,被告人の陰茎等を直接見ていないことがうかがわれるが,面前で自慰行為を行うことにより強制わいせつ罪が成立するから,Cが直接これを見たか否かはその成否に影響しない。