児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

本庄武「性犯罪規定の見直し〜改正案の思想は一貫しているか」法律時報88巻5号

 監護者類型は児童淫行罪でカバーしてますけどね。

本庄武「性犯罪規定の見直し〜改正案の思想は一貫しているか」法律時報88巻5号
7 改正案の背景にある思想の一貫性
以上のように、今回の改正案には、強姦罪の性的中立化により、保護法益が女性の貞操であるとの古い観念を払拭する効果が期待できるが、同時に強姦罪の中に、性的自由の侵害とは言い難い性的陵辱類型や児童の健全育成の視点を混入させたり、実際上の必要性がないにもかかわらず、強姦罪の法定刑を引き上げることにより、集団強姦の廃止等で誤ったメッセージを発しかねないという面がある。なにより、性的自由の法益としての重要性を確認するどころか、むしろ性的自由侵害の事例を二極化し、顔見知り間での強姦事案をより潜在化させてしまうおそれがある。夫婦間強姦の成立についての明文規定が見送られたように、今回の改正案は、社会に向けて発せられるメッセージには敏感ではないところがあるが、それでいて強盗罪の法定刑引下げに伴い、規範が弛緩するおそれについては敏感である。改正案の背後にある思想が一貫しているか疑わしい。性犯
罪のような、やっていいことと悪いことの境界が曖昧な領域においては、刑法により規範を宣言することには重要な意味がある。それだけに、一貫した思想に基づく改正が望まれる。
(ほんじょう. たけし一橋大学教授)