児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・強姦・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(強姦罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例違反)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

宮崎マッサージ店強姦事件「盗撮ビデオ」めぐる交渉の弁護人、弁護士会から懲戒されず

 懲戒請求はh27.3.3
 綱紀委員会の議決はh28.2.3

 弁護人の主張は判決書にも出ていて、ビデオが無罪主張に使われているようです。

宮崎地裁h27.12.1
       判   決
被告人を懲役年に処する。
未決勾留日数中日をその刑に算入する。
押収してあるデジタルビデオカセット原本4本(平成27年押第7号符号1ないし4)を没収する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
       理   由
【罪となるべき事実】
 被告人は,平成21年2月頃,宮崎市大字α××××番地××の住居地の×階部分にアロマサロン「G」(以下「本件店舗」という。)を開業した上,地元の情報誌に営業時間を午前10時から翌午前2時までなどとする内容の記事を掲載しながら,その利用客らに対し,自らも施術者としてアロマオイルを用いたマッサージ等のサービスを提供してきた者であるが,
第5(平成26年6月2日付け起訴状記載の公訴事実(第114号事件)関係)
 平成25年12月15日午後10時頃に客としてマッサージを受けに来店したB(当時27歳)を本件施術室に招き入れるなどした上,被告人の指示により,全裸にさせたBをして,施術台上にバスタオルを掛けて横たわらせるとともにアイマスクを着用させ,更にBに無断で自らビデオカメラを設置,操作し,Bの様子を隠し撮りしてデジタルビデオカセット(同号符号1)に録画することにより事後の対応等に備えつつ,その頃からBに対するマッサージを行うなどしたところ,Bがこのような状態になっているのに乗じ,Bを強いて姦淫しようと考え,翌16日午前1時40分頃,本件施術室において,上記のような状態のBに対し,Bの陰部に手指を差し入れて弄ぶなどするとともに,その両膝に自己の体を押し当てるなどしてBの両足を押し広げ,その身体に覆いかぶさるなどの暴行を加えて,その抵抗を著しく困難にした上,強いてBを姦淫した(以下「B事件」ともいう。)。
【証拠の標目】《略》
【事実認定の補足説明】
第1 本件の争点及び判断の概要
第4 判示第5の事実(B事件)について
(2)これに対し,弁護人は,本件ビデオ映像(B)から確認できる経過によっても被告人の暴行が通常の性行為に伴う程度にすぎない上,両者の体格差や関係性,周囲の状況等に照らしても,Bの積極的な行動を妨げる事情はなく,かえって,Bが性交終了後において,その前と同じ状況下にあったにもかかわらず,本件施術室から被告人を追い出すなど,積極的な言動に出ていることからすると,被告人の暴行が強姦罪の成立に必要な程度に達したと認定することはできない旨主張している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160323-00004444-bengocom-soci
議決書などによると、この弁護士は2014年3月下旬から4月初旬にかけて、ある被害者の代理人弁護士と示談交渉をおこなう際に、(1)男性経営者が被害者との性行為を盗撮したビデオの処分(2)金銭のやり取りなし(3)告訴の取り下げ、の3点を提案した。
●「ビデオは無罪の証拠になる」と弁護士が考えていたと認定
この事件をめぐっては、毎日新聞が<被害女性が「被告側弁護士から『暴行の様子を撮影したビデオがある。告訴を取り下げれば処分する』と脅された」と証言した>と報道したことをきっかけに、弁護士に対する批判の声が高まった。インターネット署名サイトでは、この弁護士に対する懲戒請求を求める約2万件の署名が集まった。

そのような流れを受け、性犯罪被害者を支援するNPO法人「しあわせなみだ」(東京)の中野宏美代表は2015年3月、この弁護士の言動が被害者に対する不当な圧力にあたり、弁護士法に定める「弁護士としての品位を失うべき非行」だとして、宮崎県弁護士会に対して、この弁護士を懲戒するよう請求した。

懲戒請求について検討した宮崎県弁護士会の綱紀委員会は、この弁護士の示談提案について、「やや慎重な配慮に欠ける部分も見られる」としながらも、「(弁護士は)ビデオが無罪証拠になり、告訴が取り下げられると考えていた」と指摘。「全体として、適切な弁護活動の範囲を逸脱しているとまでいえない」「弁護士としての品位を失うべき非行があったと認めることはできない」として、懲戒しないという判断を下した。

なお、男性経営者が強姦と強制わいせつの罪に問われた事件をめぐっては、宮崎地裁が2015年12月、懲役11年の実刑と、ビデオ原本4本を没収する有罪判決を下した。しかし男性経営者は合意の上だったと無罪を主張しており、地裁判決を不服として、福岡高裁宮崎支部控訴している