児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

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川西渥子「少年事件の研究(2)兵庫県青少年愛護条例違反事件」神戸学院法学 第23巻4号

 被害青少年側の捜査が強引なときもあります。

1 B子取調べと被害のデッチ上げ
しかし、警察による被害の立件には大きな問題があった。少女が少年に送られて五月一五日帰宅すると、翌日から親につれられて連日警察に行き、叱責と説得を受け、三日目にようやく被害調査の録取に応じた。
B子は事実を述べたらしい。しかし、そのままでは条例違反を立件できない為、警察官がB子になんらかの暴力行為をふるっていん行行為にもっていく為の調書作成が行われたらしい。
その詳細は審判廷でも少女の口からは明らかにされなかった為不明である。しかし、少女が警察の調べを受けた後、少年が少女にあった際、少女が警察での調べがつらかったと泣いており、「叩かれて怖かった」と言ってっている。
また、その頃少女が少年にあてたラフレターでも「警察で調書をとられた時調書に『将来結こんしたくない、A君と』ってかいてるけど、それは警察の方が一方的に調書にいろいろかいてる」「讐察には私が言ったこと絶対ないしょよ」と書いてきている。警察が自らの取調べ内容について少女に口止めしたことが、少女の手紙から窺える。この手紙は、B子から少年に宛てられた三通のラブレターの内の一通である。少年が大事に保管していたものである。
手紙は、後に証拠として提出した。いつれにせよ、警察が、少年を立件するために、本来保護し健全育成すべき少女に対して暴力等不当な方法を使ってまで、被害調書を作成しているとすれば、問題である。「被害」をでっち上げる警察の捜査は許されない。
(3)B子のその後
少女は警祭で調書を作成した翌日五月二〇日、親につれられ学校に行き、当日が士曜日であったので、月曜日から登校すると約束したが、その登校の日(五月二一日)、少女は学校に行かず、少年宅に向かいまた家出してしまったのである。
再度の家出に親は再び警察と紹談し、翌日に保護願を出して少年宅付近を捜していたが、五月二九日、少女は少年のアパートにいるところを親にみっかり、逃げたが、かけつけた制服の警察官二、三名にすぐ取り押さえられた。、
少女が「反抗」し再び家出する恐れがあった為、親は警察に頼んで少女をぐ犯として家裁送致し、観護措置決定がなされた。
少女は高一のの時、成績が振わず、若干の遅刻や学校をさほる等の状況や、さして親しく交際もしていない少年とホテルに行く行動はみられるものの、父親から注意されるとすぐその少年とも交際を断っていた。
また、A少年との交際では、当時はそれなりに真剣で、親に結婚の同意をとりに帰宅し、高校を卒業した上で正式に結婚しょうと考えていた。こうして、A少年との恋愛を通じて立ちなおりをはかろうとしていたのであるから、適切な教育的対応がなされていたなら、少女が再び家出をし、く犯として送致される等の結果とならずにすんだと思われる。
ただ、少女の家庭は、大手企業の課長の父と専業主婦の母、中三の妹がおり、少女は厳しい両親に反発し、
また学校での成績が綴るわず、高校二年生への進級が危ぶまれる状況であった。そうした中で、A少年との交際を積極的に求めたものである。
A少年宅への家出や結婚問題も、家庭や学校に対する反抗や不適応をA少年との関係で解消しようとした感も強い。少女は、本件でぐ犯として家裁送致され、鑑別所に送られた後、保護監察処分を受けた。
少年との交際の中では、高校二年に進学し、卒業したいと希望を述べていたが、本件をきっかけに退学した。また、その後はA少年に対する思いも冷えてしまったようである。
本件の警察と親の対応はA少年のみならず、少女にとっても不幸な結果となった。
少年の逮捕
B子が警察に保護され鑑別所に送られた後も、B子が高校卒業後には、A少年は、結婚するとの約束を実現させるべく、仕事を変ったり、アパートを返して自宅に帰ったりした上、一カ月後のB子の誕生祝いに真珠の指輪を買う等していた。ところが、六月二七日午前九時すぎに、警察官がA少年宅を訪れ、事情を臆きたいので警察に来てくれといわれた。A少年は母親とともに、警察官につれられ、尼崎北警察署に行った。警察につくや、少年は母親と離され取調室に入れられたが、その直後、逮捕状を執行され手錠をされた。警察は自宅では逮捕状が出ている事実を告げず、任意向行を求めて、警察につくや保護者を引き離した上いきなり逮捕状を執行したのである