児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律違反とわいせつ電磁的記録記録媒体公然陳列は観念的競合(横浜地裁h27.6.12)

 名誉毀損にはならないようです。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/176/085176_hanrei.pdf
第3 平成27年1月2日午前11時43分頃から同日午後1時40分頃までの間,10回にわたり,前記被告人方において,判示第1のパーソナルコンピュータを用いてインターネットを利用し,Aの顔を撮影した画像データやAの氏名等が記載された「合格通知書」と題する書面を撮影した画像データなどとともに,Aの顔や陰部を撮影した画像データ及びAが被告人の陰茎を口淫する場面を撮影した画像データ等10点を,C社が管理するアメリカ合衆国内に設置されたサーバコンピュータに送信して記憶・蔵置させ,不特定多数のインターネット利用者に対し,同画像の閲覧が可能な状態を設定し,もって第三者が撮影対象者を特定することができる方法で,性交又は性交類似行為に係る人の姿態及び衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって,殊更に人の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものである私事性的画像記録物を公然と陳列し


【量刑の理由】
各犯行の動機は,被告人が自慰行為をみせるよう被害者に要求して拒絶され,被告人が立腹して各犯行に及んだというもので,悪質ではあるが,その背景には,弁護人の指摘するような,元妻との間の離婚裁判上の書類作成の便宜について被害者が言葉を濁した事情もあり,被告人に同情の余地が全くないわけではない。他方で,各犯行は,平成26年8月から平成27年2月に至るまで,断続的ではあるが,長期にわたり敢行されており,本件によって被害者が被った精神的苦痛や,人格の尊厳を害された程度は大きいものというべく,被害結果は重大である。
しかしながら,被告人は,捜査の当初段階及び第1回公判においては,脅迫の点を否定したが,第2回公判では,脅迫の点を含めて各犯行を全て認め,反省する姿勢を示し始めていること,今後,被害者には一切連絡しない旨約束し,現時点において,本件のプライベートポルノに関連する電子機器類の所有権放棄に応じていること,これまで被告人には懲役前科がないことなど,被告人のために酌量できる事情もある。
以上によれば,当裁判所としては,被告人の刑の執行を猶予するものの,上記のような動機に照らし,被告人が,被害者の抱く恐怖心を被告人として容易に理解できないという認知のゆがみを有している点を重視して,被告人に対し,認知のゆがみを解消するプログラムを受けさせ,今後の更生及び再犯防止に資することを専門機関に期待して,被告人を保護観察に付することとする。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑 懲役3年)
平成27年6月12日