児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

18歳未満に対する淫行の損害賠償請求事案につき、「成人男性は,18歳未満の女子に対しては,同人が同意しているか否かにかかわらず,もっぱら自らの性的欲求を満たす目的で淫行等に及んではならない義務を負っている」と判示したもの(大阪地裁民事)

 暴行脅迫はない淫行の事案です。
 大阪府とか長野県であれば違う結果になると思います。

大阪地裁H26
そして,本件各淫行等は,A県及びB県の各条例の違反した犯罪行為であると認められるところ,その一方で,本件各淫行等のような,明確な拒否的態度を示していたとまではいえない18歳未満の女子に対して成人男性がもっぱら自らの性欲を満たす目的で性的行為に及んだ場合において,当該成人男性について,どのような不法行為責任が成立するかが問題とな
る。
なお,原告らは,本件各淫行等は強制わいせつないし強姦行為に該当する旨主張するが,本件全証拠を検討しても,被告が本件各淫行等をするにあたり,原告に対して暴行ないし脅迫を用いて性行為を追ったと認めることはできないから,原告らの上記主張は採用することができない。
(2)そこで検討すると,そもそも,被告のような成人男性が,もっぱら自らの性的欲求を満たす目的で,18歳未満の女子に対し,わいせつ行為ないし淫行をすること自体,同人の健全な人格の形成等に害悪を生じさせる危険性の高い行為というべきである。すなわち,成人男性から淫行等を受けた18歳未満の女子としては,その事実を親権者や所属校あるいは友人等に知られた場合はもとより,たとえ知られる前であっても,いつか知られてしまうのではないかと恐れるあまり,激しい後悔,強い罪悪感,著しい差恥心等の自己否定的感情を過度に抱くことが少なくない上,心身の未熟さもあってそのような感情を自分自身では解消することができず,また,周囲からは成年者の行動のように個人の自由として受け止めてもらうこともできず,孤独に深く思い悩み続けた結果,多大な精神的苦痛を受け,容易に回復しがたい精神状態に陥ってしまうことも十分に考えられるところである。そうすると,18歳未満の女子に対する淫行等は,被害女子の人格,尊厳を著しく侵害する危険性の高い違法な行為というべきであり,そのような淫行等が親権者らに発覚したこと自体が客観的現実的な被害の結果を推認させるものということができるのであって,そのような場合,加害者である成人男性としては,被害女子に対する不法行為責任を免れることはできないというべきである(これを注意義務違反の内容から考察すると,成人男性は,18歳未満の女子に対しては,同人が同意しているか否かにかかわらず,もっぱら自らの性的欲求を満たす目的で淫行等に及んではならない義務を負っているものということになる。)。
そして,上記のような淫行等の違法性の程度は,たとえ18歳未満の女子が明確な拒絶意思を示していなかったからといって,それは単に強制わいせつや強姦行為と比べれば悪質ではないという程度にすぎず,その違法性が決して軽微なものとはいえないと解するのが相当である。
(3)以上の認定説示をもとに,本件各淫行等に至る経緯,本件各淫行等の態様及び回数,被害者である原告の年齢及び性的成熟度,加害者である被告の年齢及び社会的地位,本件各淫行等の被害を受けた事実を親権者等に知られたことによる原告の精神的動揺及び被害感情の程度,原告の今後の健全な人格形成等に及ぼす影響の可能性,本件各淫行等の発覚後における被告の反省態度及び交渉姿勢その他本件に現れた一切の事情を総合的に考慮すると,被告が,本件各淫行等の不法行為責任として原告に対して支払うべき慰謝料は○○万円(これに加えて弁護士費用は○万円)と認めるのが相当である。