児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

警察が狙っていたのはAmazonが持つ「顧客リスト」か?

 通常の取次業務の範囲内であれば結果的にはアマゾン自身の幇助犯というのは成立しないと思いますが、それでも強制処分したのは、大々的に広報することで威嚇効果を期待するのと、顧客リストを押収して単純所持の検挙につなげるという目的でしょうね。

http://n-knuckles.com/culture/akihabara/news001885.html
●警察が狙っていたのはAmazonが持つ「顧客リスト」か?

 警察が動いた理由として唯一考えられるとすれば、児童ポルノ法の単純所持の猶予期限があと半年足らずで切れるという点だろう。改正され、単純所持も違法となった児童ポルノ法が施行されたのが14年の7月。そこから1年間は自発的に児童ポルノを破棄するためとして猶予が設けられた。であるから、15年の7月からは児童ポルノと看做される何かを所持している事が解れば処罰される。こういうケースで警察がまず最初に行うのは "みせしめ" によるアピールだ。15年の7月に入ると同時に各地で児ポ狩りを行い、逮捕者が続出し、それをマスコミが連日のように伝える。 ここまでがすでに予定された1セットなのだろう。今回の摘発騒動は、それを見越した仕込みなのではないかと推測する。
 どういう事かもう少し詳しく説明する。今回の古書店の摘発とアマゾンジャパンへの家宅捜索で、警察が最も欲しかったのは「児童ポルノを販売していた証拠」などではなく 、押収されたとされる資料の中に含まれているであろう「顧客リスト」だと思われる。いくら児ポの猶予期間が終わったからといって、道行く人をとっ捕まえてノートPCの中身を確認したり、マンションを1軒1軒訪問販売のように回って児ポ狩りを行う訳にはいくまい。それもやろうと思えば可能な危なすぎる法律ではあるのだが、さすがにそんな秘密警察のような動きを見せればいくら警察様といえどもただでは済むまい。であるから、「コイツは児ポを持っている! ロリコンだ! 性犯罪者だ!」と、世論が同情しないような人間を狙い打つ必要がある。そこで必要になるのが「児童ポルノ愛好家である」という動かぬ証拠であり、その目安になるのが通販サイトなどでの購入履歴なのである