児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「成人が小学生を抱っこするようなイベント(抱っこ会)」と「児童引渡罪(児童福祉法34条1項7号)」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinoharashuji/20141022-00040180/
【悲報】弁護士ドットコムが存在しない「抱っこ会」を作りあげ、それをYahoo!ニュースがトピックスに
ネットの炎上案件に食い付くキレイなJ-CAST的ニュースサイト『弁護士ドットコム』が、存在しないイベント「抱っこ会」を作りあげて報じていると指摘する声があがっています。

の点はともかく、成人が小学生を抱っこするようなイベント(抱っこ会)という説例について他社の取材で法的問題を検討させられました。

 ドットコムの弁護士は児童福祉法違反だと言うのですが
 児童福祉法の関係で言えば、7号9号が怪しいのですが、7号の関係では、場所も移さず一時的なものは、「引渡」とはいいづらいと思います。
 9号の関係では、支配下に置いたとは言いづらいと思います。

北島敬介 福祉犯罪 解釈と実務 P120
要は、児童を本号に列挙された相手方の支配下に移す行為をいい、右の各判例の趣旨からすればば必ずしも自己の支配ないし監護下にある児童を他の支配に移す場合に限らず、単なる周旋行為としての案内連行であってもこれに当たるし、また周旋介入をした以上直接引渡しに関与していなくても本号の共犯が成立する場合が多いといえよう。

注解特別刑法7風俗・軽犯罪編第2版「児童福祉法」小泉祐康著
「児童を引き渡す行為」とは、児童を相手方の支配下に移すことをいうが、その方法・手段として、児童の無知を利用して誘惑したり、暴力的手段によってその意思を拘束したりする必要はなく、児童の自由意思による場合でもよく、また職業として行う必要もない

第34条〔禁止行為〕
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為
二 児童にこじきをさせ、又は児童を利用してこじきをする行為
三 公衆の娯楽を目的として、満十五歳に満たない児童にかるわざ又は曲馬をさせる行為
四 満十五歳に満たない児童に戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で歌謡、遊芸その他の演技を業務としてさせる行為
四の二 児童に午後十時から午前三時までの間、戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務としてさせる行為
四の三 戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務として行う満十五歳に満たない児童を、当該業務を行うために、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第四項の接待飲食等営業、同条第六項の店舗型性風俗特殊営業及び同条第九項の店舗型電話異性紹介営業に該当する営業を営む場所に立ち入らせる行為
五 満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為
六 児童に淫行をさせる行為
七 前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知つて、児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知つて、他人に児童を引き渡す行為
九 児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141021-00002192-bengocom-soci
児童福祉法違反になる可能性は?
「抱っこ会のようなイベントが児童福祉法に違反する可能性は、十分考えられます」
どういう理由で、そうなるのだろうか?
児童福祉法は、『法に触れることをする可能性のある人に、児童を引き渡すこと』を禁じています。
もし、抱っこ会において、抱っこに乗じて性的な目的でアイドルの胸や腰に触れる人がいれば、それは『公共の場所で、衣服などの上から又は直接人の身体に触れることで、相手を著しく羞恥させたり、不安を覚えさせる行為』として、迷惑防止条例違反などの犯罪行為にあたる場合があります。
したがって、主催者側としても、抱っこ会において上記のような行為をする人がいる可能性があると知りながら抱っこ会を行っている場合、児童福祉法に違反すると考えられるでしょう」
秋山弁護士はこのように解説していた。