児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

脅迫や欺罔なく平穏に児童に写メを頼んで、乳房露出画像を送ってもらった場合にも、3項製造罪が成立するとした事例 自画撮sexting

 頼んで撮影送信してもらっただけでは製造罪にはならないという弁護士がいるようですが、実務はそうでありません
 脅迫があれば、強要罪・強制わいせつ罪+製造罪、欺罔があれば準強制わいせつ罪+製造罪になった裁判例があります
 逮捕された時のダメージが大きいので、暗数を考慮して「捕まらない」とは回答しません。

中国地方の地裁
(罪となるべき事実)
 被告人は,被害児童(当時17歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,6月30日午後5時55分頃,同児童に乳房を露出した姿態をとらせ,これを同児童のカメラ機能付き携帯電話機で撮影させた上,その画像データを被告人の携帯電話機に電子メール添付ファイルとして送信させ,同日,被告人方において,同画像データを同携帯電話機で受信し,記憶させて蔵置し,もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造した
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控訴審判決
なお,被告人の当審公判供述の趣旨等にも鑑み,職権で判断を加えると,原判決が認定,摘示した原判示第3の事実の内容は,前記(1)で摘示したとおりである。要するに,原判決は,被害児童の原判示の姿態を撮影して,その画像データを被告人の携帯電話機に送信し,その携帯電話機の記録媒体に蔵置させるに至らせるという,児童ポルノ製造の犯罪の主要な実行行為に当たるものを行ったのは被害児童自身であるという事実を摘示しているが,被害児童が共同正犯に当たるとは明示しておらず,被告人に関する法令の適用を示すに当たっても,刑法60条を特に摘示していない。他方,原判決は,本件について間接正犯の関係が成立するという事実を示しているものでもなく,本件の関係証拠に照らしても,間接正犯の成立をうかがわせる事実関係があるとは認め難い。
しかし,原判決は,罪となるべき事実として,被害児童が上記の実行行為を自ら行ったという事実は摘示し,これらの行為は,被告人が,自らの意思を実現するため,被害児童との意思の連絡の下,被害児童に行わせたものであるという趣旨と解される事実関係を摘示しているものと理解することが可能であるし,かつ,そうした事実関係を前提に犯情評価等を行っていると見ることができることなどに照らすと,原判決が,被告人と被害児童との共謀の存在を明示せず,法令の適用に刑法60条を挙示していないことが,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認ないし法令適用の誤りに当たるとは,いまだいい難いと考えられる。)

 控訴審では、児童との共謀共同正犯になるという構成のようですが、そういう場合でも児童も、頼んだ方も3項製造罪になるというのです。

 軽く交際していた場合には、児童との共謀共同正犯になるという構成になる明言する裁判例もあります。児童も、頼んだ方も3項製造罪になるというのです。

近畿地方の某地裁
被告人は
被害児童(15)と共謀の上 前後2回 大阪市内において同女に上半身裸で乳房を露出した姿態をとらせた上 同女において 同女の携帯電話機のカメラ機能を利用して静止画像として自ら撮影して
平成26年6月30日 午後6時51分〜54分までの間
前後2回にわたり その画像データを被告人が使用する携帯電話機にあてて電子メールの添付ファイルとしてそれそれ送信して
いずれもそのころ 大阪市内において 同画像データを 同携帯電話機に受信してこれを記憶させて蔵置して もって 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(2条3項3号)をとらせ これを視覚により認識する事ができる方法により電磁的記録にかかる記憶媒体に描写し、当該児童にかかる児童ポルノを製造した
法令適用
付言すると 当時15歳という被害児童の年齢や 被告人は要求の際に欺罔脅迫等の手段を用いて織らず、被害児童が被告人の要求に応じた主たる理由は被告人への好意にあったことなどすれば 本件については証拠上 間接正犯の成立も認めることができない

 児童を保護するための児童ポルノ製造罪なのに、児童にも犯罪成立としてまで、関与した大人を処罰するというのです。