児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

6/5 衆議院法務委員会 議事録

 暫定版ということなので、冒頭だけ紹介しておきます。
 刑罰法規の解釈って、法制審議会の方がよくないか。

http://taroyamada.jp/?p=5583
遠山清彦君。
○遠山委員
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案の起草案につきまして、提案者を代表して、その趣旨及び内容について御説明申し上げます。
児童ポルノの所持、提供等の行為については、これが真に悪質な児童に対する性的虐待行為であるという基本的認識や、児童ポルノが広く流通している現状に対して有効な規制を及ぼさなければならないとの思いが、これまでも与野党の垣根を越えて共有されてきたところでありまして、平成十一年の法律制定時、また、平成十六年の改正時と、いずれも超党派議員立法により、累次、規制が強化されてまいりました。
そして、前回、平成十六年の改正法附則に、法律の施行状況や児童の権利の擁護に関する国際的動向等を踏まえて三年を目途として検討すべき旨の見直し条項が置かれたことから、各党において、児童ポルノ等に関する規制のあり方全般について真摯な議論がなされ、平成二十年六月には自公案が、平成二十一年三月には民主党案がそれぞれ提出されました。
その後の平成二十一年七月には、自民党公明党、そして民主党の議員による実務者会合において修正協議が行われ、大枠で合意を見ることとなったものの、残念ながら超党派議員立法として提出するには至りませんでした。
その後も、自民党及び公明党の共同で、また民主党から、それぞれ単純所持罪等の処罰に係る改正案が提出されましたが、いずれも衆議院解散により廃案となり、昨年の五月に自民党公明党日本維新の会が共同で提出した改正案についても本委員会において審議がなされていないという状況でありました。
このような経緯に加えまして、前回の改正から十年が経過をし、この間のインターネットの発達により児童ポルノ被害に遭う児童の数がふえ続けていること、児童ポルノ単純所持罪を設けるべきとの国際社会の強い要請があること等に鑑みまして、今国会において、本委員会の理事会のもとに、委員会を構成する各会派の理事会メンバーから成る児童ポルノ禁止法改正に関する実務者協議会が設置されることになりました。
同協議会におきましては、昨年、自民党公明党日本維新の会により提出された改正案に加え、平成二十一年の実務者会合において大枠で合意を見た案を中心に、現在の目で見て真に児童の権利の保護に必要な規制を加えるとの観点から、三回にわたり真摯かつ熱心な議論が行われた結果、内容において合意に至りました。
このような実務者協議会のメンバーの努力に加え、本委員会理事を初め、平成二十一年実務者会合メンバーを含めた各党関係議員の御協力の成果が、本日、ここに起草案として結実した次第であります。
次に、本起草案の内容について御説明申し上げます。
第一に、児童ポルノの定義及びその所持に係る罰則に関し、改正を行っております。
その一は、児童ポルノの定義を改正しております。
すなわち、いわゆる三号ポルノについて、その定義をより明確にするため、「殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されている」との要件を付加しながら、その「性的な部位」については、「性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部」をいうものといたしました。
その二は、児童買春、児童ポルノの所持その他児童に対する性的搾取及び性的虐待に係る行為の一般的な禁止規定を、総則において設けることといたしております。
その三は、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持について、罰則を設けております。
すなわち、「自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。
)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」こととしております。
また、所持罪の新設に当たり、施行前から所持している児童ポルノについて罰則の適用前に適切に廃棄等の措置を講じていただけるよう、所持罪は改正法施行の日から一年間は適用しないものとしております。
その他、児童ポルノの製造の罪について盗撮の場合にも処罰範囲を拡大するほか、適用上の注意規定を明確化するとともに、その具体化を図っております。
第二に、心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する制度を充実及び強化しております。
すなわち、心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を講ずる主体として、厚生労働省法務省都道府県警察、児童相談所、福祉事務所を例示し、措置を講ずる主体及び責任を明確化することとしております。
これに加えて、社会保障審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春や児童ポルノに係る行為により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとすること等としております。
第三に、インターネットの利用に係る事業者の努力規定を設けております。
すなわち、インターネットの利用に係る事業者は、捜査機関への協力、管理権限に基づく情報送信防止措置その他インターネットを利用した児童ポルノの所持、提供等の行為の防止に資するための措置を講ずるよう努めるものとしております。
以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
何とぞ、御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
以上です。
(拍手)
○江粼委員長

これにて趣旨の説明は終わりました。