児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

裁判員対象事件の起訴率低下↑→

http://www.courts.go.jp/saikosai/iinkai/saibanin_kondan/siryo_21/index.html
にある、
裁判員裁判実施状況の検証報告書
http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf/80822004.pdf
のp86〜87をみると、裁判員事件だと性犯罪の量刑は重く推移したことがわかります。
 これは被害者にとっていいことだと思うでしょうが、手放しで歓迎できないですよ。騙されてる。
 検察官が犯情の重いものに絞って起訴してそうでないものは起訴猶予にしているのです。量刑は上がり、起訴件数は減る。

 検察統計年報から数字を拾ってみました。
 裁判員対象事件の量刑が1ランク上がったというグラフに、起訴されないのを懲役0年と換算して算入してみてくださいよ。性犯罪者犯人に対する量刑の総和は大幅に下がっているはずです。
  (中略)
 裁判官裁判に戻した方が、処理件数も上がって、性犯罪者全体の処罰が実現されると思います。

強制わいせつ致死傷罪 総数 起訴件数 不起訴件数 起訴率
h18 250 166 51 76.5%
h19 279 157 68 69.8%
h20 284 137 83 62.3%
h21 257 117 95 55.2%
h22 273 106 125 45.9%
h23 266 109 119 47.8%
h24 271 115 118 49.4%
h25 295 136 120 53.1%
h26 237 134 121 52.5%
強姦致死傷罪 総数 起訴件数 不起訴件数 起訴率
h18 390 253 110 69.7%
h19 436 239 156 60.5%
h20 367 198 137 59.1%
h21 308 139 137 50.4%
h22 295 110 148 42.6%
h23 317 128 162 44.1%
h24 286 129 135 48.9%
h25 323 123 173 41.6%
h26 281 35 165 34.0%
集団強姦致死傷 総数 起訴件数 不起訴件数 起訴率
h18 31 19 8 70.4%
h19 46 23 6 79.3%
h20 29 18 4 81.8%
h21 35 21 11 65.6%
h22 16 2 11 15.4%
h23 26 17 7 70.8%
h24 22 6 8 42.9%
h25 22 9 10 47.4%
h26 29 17 8 68%