児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

痴漢冤罪の原因は被害者の①虚偽申告,②勘違い,③人違い(田中壽寿子 性犯罪・児童虐待捜査ハンドブックp150)

弁護人から見た「性犯罪寛罪事件」〜森下弘(弁護士)「性犯罪事件の実務上の問題点」季刊刑事弁護35号(平成15年) 36頁参照だそうです

田中壽寿子 性犯罪・児童虐待捜査ハンドブックp150
(2)犯人性
痴漢事件においては,犯人性の捜査が最も重要である。
無罪とされた事件の類型には,被害者の①虚偽申告,②勘違い,③人違いであるとされたものがある。
ア虚偽申告
虚偽申告の動機としては,一般に,被疑者への恨み(電車内のトラブル等入金銭要求目的注目を浴びたいなどの理由による狂言,遅刻の言い訳などが挙げられる。
これに対し捜査官は,被害者と被疑者に,何ら面識・利害関係がないこと,示談交渉経緯に不自然さがないことなどを被疑者・被害者双方から聴取する必要がある。
被害者自身に過去の同種被害申告歴がないか,その際の対応(示談状況等)や,被害者に精神科の受診歴がないか,言動に不自然な点がないか,思い込みの激しい性格ではないかなどにつき,被害者の素行等を調べた上,被害者が虚偽申告する動機の有無を解明しておく必要がある。
イ勘違い
勘違いの原因としては,鞄が当たっただけなのに触られたと誤解することなどが挙げられる。
被害者からは,被害状況を丁寧に聴取した上,被疑者・被害者の身長差,位置関係,鞄や携帯電話等の所持品の所持状況と犯行状況を再現実況見分を実施して検討する。
ウ人違い
人違いの原因は,そばにいた真犯人と混同されたというものが多い。被害者が被疑者を犯人と確認した経緯・状況を聴取し,駅員等に申告した経緯をよく聴取し被害者の犯人識別供述の客観的・主観的条件をよく確認する。