児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「sex(性的な)」と「extortion(脅迫)」を合わせた造語の「セックストーション」sextortion

 1対1だと罪にならないという楽観的な弁護士も多いのですが、実際にはわいせつ画像を送信すると不特定又は多数の者への送信の一環だという疑いをもたれてわいせつ電磁的記録記録媒体頒布罪で逮捕されることがあって(逮捕事例を2回弁護しました)、通報できないんですよ。警察がそれは立件しないと言ってくれれば、だいぶ被害届増えると思います。

中国人の男が指揮か 不正アプリ恐喝 国内被害相談20件=千葉
2014.04.19 読売新聞
 スマートフォンの情報がウイルス(不正アプリ)で抜き取られ、その情報をもとに現金を脅し取られた事件で、県警サイバー犯罪対策課は18日、男2人を恐喝容疑で逮捕した。県警は、中国人の男が指揮したグループによる犯行とみており、事件解明を進めるとともに警察庁を通じて中国政府に情報提供をする方針。わいせつ画像などを使ったこの手口は海外で多発しており、識者は注意を呼びかけている。

 発表によると、2人は、容疑者(43)と、別の事件で警視庁に逮捕されていた被告(45)(有印私文書偽造・同行使罪などで起訴)。

 2人はほかの何者かと共謀し、昨年12月、女性を装って出会い系サイトで知り合った大阪府の男性会社員(29)に、無料通話アプリ「LINE(ライン)」でウイルスを送信。わいせつな行為をテレビ電話機能で見せ合うことを持ち掛け、その映像を録画し、「電話帳データは全て抜き取った。動画を知人にばらまかれたくなければ買い取れ」と脅して現金20万円を振り込ませた疑い。

 容疑者は、同様に東北地方の男性から現金20万円を脅し取ったとして、不正指令電磁的記録供用と恐喝容疑で既に県警に逮捕されていた。

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 この手口は「sex(性的な)」と「extortion(脅迫)」を合わせた造語の「セックストーション」と呼ばれ、海外で問題となっている。韓国では昨年12月、同様の手口などで約500人から現金を脅し取ったとして犯行グループが検挙された。米国でも昨年、男が複数の女性のパソコンをハッキング。備え付けのカメラから女性が着替える様子を隠し撮りし、「もっと過激な写真を送れ」などと脅す材料にしたという。

 同課によると、昨年11月頃から国内でも被害が確認され始めたが、被害相談は全国で20件ほど。捜査幹部は「相談しづらいから少ないだけで、水面下で相当の被害が出ているのでは」と話す。サイバー犯罪に詳しい安冨潔・慶応大名誉教授(刑事法)は「ネットでは、誰もが知らないうちに個人情報を抜き取られている可能性があり、リスクを認識して利用すべきだ」と指摘している。