児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

卑わい行為(迷惑条例違反)から引き続きわいせつ行為(強制わいせつ罪)を行った場合の罪数処理

 連続してやれば処断刑期は懲役10年。
 手を止めると、処断刑期は約懲役11年。

甲地裁H25
被告人は
H26.3.8 17:35〜17:55ころ
大阪市北区大阪駅構内通路において
16歳Aに対してつきまといながら「パンツみせて 5000円あげるから」などとと申し向け もって公共の場所において人に不安を覚えさせるような卑わい言動をした上
同日17:55〜18:05EV踊り場において 前記行為でおびえていた同女に 腕つかんで踊り場角に連行して 陰茎を手淫させ 口淫させ もって 強いてわいせつな行為をした

法令適用
卑わいな行為につき、県迷惑条例15条1項 3条2項
強制わいせつにつき 176前段 
包括して刑法10で重い強制わいせつ罪の刑で処断

乙地裁H24
第1
H26.3.8 21:15〜21:28 大阪市北区内を走行中のバス車内において14歳Aに対して、着衣の上から乳房もむ パンティ内に手を差し入れ陰部に手指を挿入するなどし、強いてわいせつ行為をした
第2
同日20:58〜21:07
大阪市北区内を走行中の列車内において 同女のスカートの上から臀部撫で、もって公共の場所において故なく人を著しく羞恥させ かつ人に不安を覚えさせるような方法で身体に衣服の上から触れる行為をした

法令適用
検察官は併合罪であると主張して弁護人は同一被害者であり包括一罪という主張
たしかに被害者は同一であり 当初環状線内で痴漢行為して 被害者が環状線からバスに乗り換えたのでバス車内で痴漢したという態様であって、いったん中断したが一連の犯行とみる余地がある。
しかし 環状線内での痴漢は迷惑条例の罪であり府民生活の平穏の保持を目的としたいわば社会的法益に対する罪であるのに対して強制わいせつ罪は性的自由に対する侵害行為であり個人的法益に対する罪であってりょうしゃは保護法益を異にするからこれらを一罪として処理するのは相当では無い 両者は併合罪である