児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

【アメリカ】 性的図画のネット流出を犯罪とする州法改正 外国の立法・リベンジポルノ

 懲役6月だと日本のわいせつ図画とか名誉毀損罪とかより軽いですよね。

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8347711_po_02570202.pdf?contentNo=1
【アメリカ】 性的図画のネット流出を犯罪とする州法改正
1 「リベンジポルノ」による被害
アメリカでは、内密にする前提で作成した裸やそれに類する状態の図画を、被写体が誰であるか識別可能な状態で、被写体に無断でインターネット上等に流布させる行為が問題となっている。一時的又は恒常的な交際関係にあった相手に対する嫌がらせを目的として行われることが多く、一般に「リベンジポルノ」と呼ばれている。こうして図画を流布された者が、自殺を図るなどしており、問題は深刻化している。(注 1)

2 覗き、盗撮、脅迫、児童ポルノ等との関係
従来のカリフォルニア州刑法では、この「リベンジポルノ」行為自体を犯罪として罰することはできなかった。例えば、寝室、浴室、トイレ、更衣室等のプライバシーが当然に尊重されるような場所にいる者に対する覗きや、同じくプライバシーが当然に尊重されるような場所にいる者に対する、身体や下着を見ることを目的とした被写体が誰であるか識別可能な状態の写真等の盗撮(着衣の有無は問わない)、脅しやわいせつを内容とする迷惑電話及び迷惑メール等は、これまでも刑法典第 647 条等で罪とされていたが、内密にする前提で作成された裸やそれに類する図画の無断流布は、いずれにも該当しない。
児童(18 歳未満)を描写した性的図画の作成、所持、流布等は、合意の有無を問わず児童ポルノ罪(刑法典第 311 条以下)となるが(注 2)、成人を描写した性的図画の作成や所持自体は、罪とならない。ただし、性的図画は、刑法上のわいせつ物に該当することもあり得る。この場合、そのようなわいせつ物を未成年者に流布し、所有させ、他に流布させるよう仕向けることや、これらの行為に未成年者を協力させることは、罪となる(刑法典第 311.4 条(b))。

3 条文の内容
今回の改正は、刑法典第 647 条に(l)項を、同(j)項に(4)を新設するものである。 ・内密にするとの当事者間での合意又は理解に基づき、被写体が誰であるか識別可能な状態で身体の私的な部分を撮影し又は記録した者が、被写体に深刻な精神的苦痛を引き起こす目的で、その図画を流布し、かつ、被写体が深刻な精神的苦痛を受けた場合は、軽罪(通常は、千ドル以下の罰金若しくは 6 か月以下の拘禁刑又はこれらの併科(刑法典第 19 条及び第 19.2 条))として処罰される(第 647 条(j)項(4)(A))。