児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被告人が経営していた塾の冬期講習に通っていた少女が、進学した高校の授業についていけなかったことから、個人的に指導を依頼し、勉強を教えてもらい、1学期の期末テストの結果報告のため、塾を訪れた際、被告人が、同女の乳房をもんだり、乳首をなめたり、陰部に手の指を挿入するなどし、青少年に対して、わいせつ行為をしたという、愛知県青少年保護育成条例違反被告事件につき事実誤認の主張が排斥された事例(名古屋高裁H25.7.9)

愛知県青少年保護育成条例違反被告事件
名古屋高等裁判所
平成25年7月9日刑事第2部判決
       判   決
 上記の者に対する愛知県青少年保護育成条例違反被告事件について,平成25年2月18日名古屋地方裁判所が言い渡した判決に対し,被告人から控訴の申立てがあったので,当裁判所は,検察官c出席の上審理し,次のとおり判決する。
       主   文
本件控訴を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
       理   由
 本件控訴の趣意は,主任弁護人保坂志郎及び弁護人岡野真之連名作成の控訴趣意書及び控訴趣意書(追加分)に記載のとおりであるから,これらを引用する。
 論旨は,要するに,被告人が経営していた塾の冬期講習に通っていた少女(平成6年■月■日生。以下「A」という。)が,進学した高校の授業についていけなかったことから,個人的に指導を依頼し,勉強を教えてもらい,1学期の期末テストの結果報告のため,平成22年7月8日に塾を訪れた際,被告人が何らわいせつ行為に及んでいないのに,Aの乳房をもんだり,乳首をなめたり,陰部に手の指を挿入するなどし,青少年に対して,わいせつ行為をしたと認定した原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認がある,というのである。
 そこで,原審記録を調査して検討するに,原判決が,原判示の事実に沿うAの供述に信用性を認め,原判示の事実を認定したことは正当であり,(事実認定の補足説明)(以下「補足説明」という。)で認定説示するところも,論理則及び経験則に反した不合理な点はなく,概ね正当として是認することができる。