児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被告人が経営していた塾の冬期講習に通っていた少女が、進学した高校の授業についていけなかったことから、個人的に指導を依頼し、勉強を教えてもらい、1学期の期末テストの結果報告のため、塾を訪れた際、被告人が、同女の乳房をもんだり、乳首をなめたり、陰部に手の指を挿入するなどし、青少年に対して、わいせつ行為をしたという、愛知県青少年保護育成条例違反被告事件(行為否認)(名古屋地裁H25.2.18)

愛知県青少年保護育成条例違反被告事件
名古屋地方裁判所
平成25年2月18日刑事第1部判決
       判   決
       主   文
被告人を懲役6月に処する。
この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
       理   由

(罪となるべき事実)
 被告人は,A(平成6年■月■日生。以下「A」という。)が18歳に満たない青少年であることを知りながら,平成22年7月8日,愛知県■において,単に自己の性的欲望を満たすだけの目的で,A(当時15歳)の乳房をもんだり,乳首をなめたり,陰部に手の指を挿入するなどし,もって青少年に対して,わいせつ行為をした。
(証拠の標目)《略》
(事実認定の補足説明)
第1 弁護人の主張及び被告人の供述
 上掲各証拠によれば,判示罪となるべき事実は明らかであるが,弁護人は,〔1〕Aは不合理な記憶喪失をしている,〔2〕Aの供述には不合理な変遷がある,〔3〕A立会による被害の再現写真とAに対する当裁判所の尋問調書(以下「尋問調書」という。)とは一致していない,〔4〕客観的な事実からするとAの供述は不合理であることなどから,Aの検察官調書及び尋問調書は信用できない上,本件犯行は行っていない旨の被告人の供述に不合理なところはなく,被告人は無罪である旨主張し,被告人も本件犯行を行っていない旨供述する。
 そこで,裁判所が,判示のとおり罪となるべき事実を認めた理由を補足して説明する。

・・・・
(量刑の理由)
 本件は,愛知県青少年保護育成条例違反の事案である。
 被告人は,上記のとおり不自然な弁解をしており,反省の態度は認められない。被害者の精神的苦痛は軽視できず,被害者の成長に対する悪影響も懸念される。
 そうすると,被告人の刑事責任は軽くないので,被告人には罰金前科しかないことなど,被告人に有利な事情を考慮しても主文の刑が相当である。
(求刑−懲役6月)
平成25年2月18日
名古屋地方裁判所刑事第1部
裁判官 天野登喜治