児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・強姦・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(強姦罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例違反)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

警察署まで出頭したものの覚醒剤の犯罪事実を言い出せなかった場合は自首にならない(福岡地裁H24.9.19)

 惜しいですよね。
 「自首します」って紙に書いて持って行けば良かったですね。

判決速報1495
弁護人は,被告人が,警察官に対し,言葉に出して明示的に犯罪事実を申告しなかったとしても,被告人が,覚せい剤をやめようと考え,覚せい剤等の証拠物を所持して警察署に自ら出頭した上で,警察官に対して覚せい剤や尿を任意に提出したという一連の行為自体が,捜査機関に対する被告人の犯罪事実の任意の申告と評価されるべきであるから,本件各犯行について自首が成立すると主張する。
しかし,自首が成立するには,自発的に自己の犯罪事実を捜査機関に申告することが必要であって,自分あるいは第三者を通じての言葉により申告しないのであれば,犯罪事実の申告をしていることが外形上分かるような態度を示すなどの方法による黙示の申告をすることが必要である。
本件では,被告人は,警察署に出頭して,警察官と言葉こそ交わしたけれども,支離滅裂な言動をし,自己の犯罪事実を言い出さず,かえって,覚せい剤の使用を否定するような言動をし,警察官から覚せい剤使用の嫌疑を抱かれ,尿の任意提出を求められてこれに応じた後,所持品検査により覚せい剤を所持していることが発覚したため,現行犯逮捕されたというのである。
これによると,被告人は,警察官の所持品検査を受ける前に,自ら覚せい剤を取り出して警察官に見せるなど,自己の犯罪事実を申告していると外形上分かるような態度を示していないのであるから,被告人の一連の行為が,自発的に自己の犯罪事実を警察官に申告したものであるとは評価できない。自首は成立せず,弁護人の主張は採用できない。