児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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懲戒の時効

 ○年前の行為について懲戒事由となるかという質問でした。

中村博『公務員懲戒法』p173
懲戒の時効
懲戒権については、時効により消滅することがないことは通説であり、また現行制度においてもこの点に関し格別の規定は存しない。美濃部博士は「懲戒権ハ刑罰権ト異ナリ時効ニ因リ消滅スルコトナシ。蓋シ本属長官ガ懲戒手続ノ開始ヲ要求シ又ハ懲戒ガ本属長官ノ権限ニ属スル場合ニ於テハ其ノ懲戒ヲ行フハ其ノ自由裁量ニ依ルモノナルヲ以テ、時ノ経過ニ因リ処罰ノ必要ナキニ至リタルトキハ自由裁量ニ依リ之ヲ処罰セザルコトヲ得ベク、敢テ時効ヲ定ムル必要ナキニ因ル。」(提要・五版上巻・三七二頁〉とされる。
また峯村教授は「懲戒処分は、公務員関係における秩序維持を目的とするから、職員に義務違反の行為があっても、これを懲戒処分に付すことが、秩序維持という目的からみて必要でないときは、懲戒処分を行なうことを要しない」(峯村光郎・公務員労働関係法・五六頁〉とされる。いずれも懲戒権は懲戒権者の広い裁量権の下にあり職員に非違行為があっても、これに対し懲戒処分を行なうか否かはその自由によるものであるとする。 したがつて、時効制度は本来懲戒処分にはなじまないものとみておられるようである