児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

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青少年条例(わいせつ行為)と製造罪の関係

 大阪高裁はこういうのを観念的競合だというのです。

原判決
第3(平成22年9月28日付け起訴状関係)
平成21年5月4日,被告人方(以下,単に「被告人方」という。)において,
1 12歳Aが18歳に満たない青少年であることを知りながら,同児に対し,自己の性欲を満たすため,同児に自己の陰茎をくわえさせるなどし,もって,青少年に対し,わいせつな行為をし
2前記Aが18歳に満たない児童であることを知りながら,提供の目的で,同児竜の前記1の姿態及び同児童が陰茎を露出した姿態を自己の使用するデジタルカメラで撮影しけその電磁的記録を同携帯電話機に装着した電磁的記録媒体であるmicroSDカードに記録させ,もって,児童を相手方とする性交類似行為にかかる児童の姿態,他人が児童の性器等を触る行為にかかる児童の姿態及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録媒体である児童ポルノを製造した

阪高裁平成23年12月21日
(2)観念的競合の成立の主張について
論旨は,(ア)原判示第3の1と同第3の2,同第5の1と同第5の2,同第5の7と同第5の8の各本条例違反行為と各児童ポルノ法7条2項の製造,(イ)原判示第4の1の本条例違反行為と同第4の2の児童ポルノ法7条3項の製造,(ウ)原判示第2の1の強制わいせつと同第2の2の児童ポルノ法7条2項の製造との関係について,各児童ポルノの製造として行われた撮影行為は,刑法上わいせつ行為に当たると解されているのであるから,(ウ)の強制わいせつ行為の実行行為にも該当する行為であって,製造とは社会的見解として1個の行為であるし,(ア)及び(イ)の本条例違反との関係でも同様であって,いずれも観念的競合であるから,一罪として処断すべきであるのに,併合罪とした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
そこで検討すると,児童ポルノの製造行為に関して行われた撮影行為は,被写体である被害男児の状態等にも照らすと刑法上のわいせつ行為に当たる行為であり,強制わいせつ罪及び本条例21条1項の罪はわいせつ行為を実行行為の一部とする犯罪であって,強制わいせつ罪又は本条例違反の罪と各児童ポルノの製造罪とは,自然的観察のもとで行為者の動態が社会的見解上1個というべき関係にあるから,観念的競合として処断するのが相当と解される。
したがって,このような科刑上一罪の処理をすることなく併合罪として法令適用をした原判決の説示には誤りがある

 撮影行為は条例のわいせつな行為にもなるのでこうかなと思っていました。
 ところで、児童ポルノ法の附則2条1項は

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
 附 則 
(条例との関係)
第二条  地方公共団体の条例の規定で、この法律で規制する行為を処罰する旨を定めているものの当該行為に係る部分については、この法律の施行と同時に、その効力を失うものとする。
2  前項の規定により条例の規定がその効力を失う場合において、当該地方公共団体が条例で別段の定めをしないときは、その失効前にした違反行為の処罰については、その失効後も、なお従前の例による。

とすると、撮影行為に児童ポルノ法が適用されるときには、条例は失効するというのだから、重ならないことになります。
 しかし、行為としては、一個のわいせつ行為だから、それが条例と児童ポルノ法とに該当するから観念的競合でいいんですよね。