児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」の改正について

「原則として、不正額の多寡に関わらず、一定の処分内容とする」そうです

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024ndj.html
2012年3月4日 医道審議会医道分科会議事要旨
厚生労働省医政局医事課

○日時
平成24年3月4日(日)午前10時00分〜午後18時00分

○場所
厚生労働省専用第18〜20会議室(中央合同庁舎第5号館17階)

○出席者
(委員)岩渕勝好、大島伸一、鎌田薫、見城美枝子、水田祥代、原中勝征、藤宗和香、森脇勝

厚生労働省)大谷医政局長、篠田審議官、池永総務課長、田原医事課長、上條歯科保健課長、赤熊試験免許室長、佐々木医師資質向上対策室長 他

○議事
医師・歯科医師行政処分について
(1)医師39名、歯科医師16名に対する行政処分について諮問がなされ、審議の結果、医師26名、歯科医師12名に対する行政処分を行うとともに、医師13名、歯科医師4名については、行政指導(厳重注意)を行う旨の答申がなされた。

[答申の概要]
(医師)26件
・免許取消…6件(集団準強姦未遂1件、道路交通法違反・集団準強姦未遂1件、準強制わいせつ2件、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反・強制わいせつ・児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反1件、詐欺1件)
・医業停止3年…3件(覚せい剤取締法違反・麻薬及び向精神薬取締法違反2件、強制わいせつ1件)
・医業停止2年…1件(覚せい剤取締法違反1件)
・医業停止1年…1件(傷害・恐喝・窃盗1件)
・医業停止6月…2件(保健師助産師看護師法違反1件、道路交通法違反・住居侵入1件)
・医業停止3月…7件(自動車運転過失傷害、道路交通法違反1件、児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反1件、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反1件、道路交通法違反2件、診療報酬不正請求2件)
・医業停止2月…2件(道路交通法違反2件)
・医業停止1月…3件(労働基準法違反・自動車運転過失傷害1件、道路交通法違反1件、廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反1件)
・戒告…1件(医事に関する不正1件)

歯科医師)12件
・歯科医業停止2年…1件(準強制わいせつ1件)
・歯科医業停止1年…1件(傷害・銃砲刀剣類所持等取締法違反1件)
・歯科医業停止6月…3件(傷害1件、健康保険法第78条第1項等に基づく検査の拒否2件)
・歯科医業停止3月…5件(児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反1件、診療報酬不正請求4件)
・歯科医業停止1月…1件(傷害1件)
・戒告…1件(電磁的公正証書原本不実記録、同供用1件)


(2)事務局から、行政処分の対象としなかった医師2名について行政指導(厳重注意)を行う旨の報告がなされた。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz-att/2r98520000024nhg.pdf
行政処分の考え方について
 平成14年4月に取りまとめた「医師及び歯科医師に対する行政処分について」のうち「12)診療報酬の不正請求等」について, 審議の結果、改正がなされた。

診療報酬の不正請求により保険医等の取消処分を受けた者に対する医師法及び歯科医師法による行政処分について
○ 診療報酬の不正請求により保険医等の登録の取消処分を受けた者に対する医師法及び歯科医師法上の行政処分については、基本的には不正請求額などに応じてその処分内容を決定してきたところであり、この考え方については、平成14年12月に本分科会でとりまとめて「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」として公表している。
○ 診療報酬の不正請求は、医師、歯科医師に求められる職業倫理の基本を軽視し、国民の信頼を裏切り、国民の財産を不当に取得しようというものであり、我が国の国民皆保険制度の根本に抵触する重大な不正行為である。
○ 保険医等の取消処分の決定においては、不正請求額の多寡に関わらず取消の期間は一定となっているという事実がある。
一方、医師法等の行政処分は、不正請求額などに応じた取扱いをしているが、「過失の度合いを行政処分に適正に反映することが困難である」、「複数の医師が関与した事案については、個々の医師の過失の度合いが適正に把握できない」といった課題もある。
○ このため、医師法等の行政処分についても、診療報酬の不正請求により保険医等の取消処分を受けた事案については、当該不正請求を行ったという事実に着目し、原則として、不正額の多寡に関わらず、一定の処分内容とすることが適当との結論に達したところである。
○ これにより、本日から上記の考え方に基づき厚生労働大臣からの諮問案件について審議を行い、答申したものである。
平成 24 年 3 月 4 日
医道審議会医道分科会
分科会長代理 鎌 田 薫