児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

京都府議会2011.10.04 : 平成23年警察常任委員会9月定例会2日目

2011.10.04 : 平成23年警察常任委員会9月定例会2日目
15 : ◯前窪委員
 次、児童ポルノ根絶に向けた取り組みで、これは法制定以降、警察庁も大きな課題として取り組みを強化されているということで、重点プログラムを警察庁で策定をされて、警察庁で取り組むこと、都道府県警で取り組むことということで、警察庁の生活安全局長(生安局長)の名で、2011年6月18日付で通知文書が都道府県警なり知事なりに出されているようでありますが、重点的には取締りの推進ということで、都道府県警の捜査力の向上、都道府県間の共同捜査の推進、それから、流通防止対策の推進で児童ポルノの流通防止に関する指導等の徹底、さらに流通防止に向けた広報啓発活動を強化すること。
 もう1点の柱は、被害児童支援の推進ということで、被害児童の発見や保護活動、さらには捜査過程における被害児童の二次的被害の防止・軽減、こういう強化策が要請されていますけれども、それに向けて、京都府警での特徴的な取り組みとその成果について、概要で結構ですので、お願いしたいと思います。
16 : ◯寺井生活安全部長
◯寺井生活安全部長
 それでは、取締りの推進、流通防止対策の推進、そして被害児童支援の推進について、まず御説明させていただきます。
 まず、取締りの推進でございますが、1点目として、児童ポルノ事犯の取締り体制の強化と捜査員の育成があります。福祉犯捜査を担当する少年課とインターネット犯罪を捜査するサイバー犯罪対策課が連携捜査を行っております。児童ポルノ事犯は、全国的には増加傾向で、京都府内では高い水準で推移しているところでございますが、犯行形態も悪質・巧妙化し、捜査員の専門的知識を求められることから、警察署等の各捜査員への教養を実施しております。
 2点目は、児童ポルノ愛好者グループの検挙等についてでございます。IHC(インターネットホットラインセンター)から得た情報の積極的な活用、そして携帯電話の撮影機能の充実から、携帯電話にも児童ポルノが蔵置されているものが多く、少年警察以外の各部門と連携し、各種警察活動を通じた情報収集に努めております。
 3点目は、積極的な事件広報です。検挙した際には、事件広報を積極的に行い、広く周知させて、抑止を図るとともに、児童ポルノに関する府民の意識の向上を図っているところでございます。
 次に、流通防止対策の推進でございます。
 1点目は、事業者に対する指導・養成についてでございます。児童ポルノ事犯に悪用されたインターネットサイト事業者に対する指導の徹底を行うとともに、京都府内のインターネットプロバイダー業者等が参画する京都ネットワーク・セキュリティー対策協議会による情報交換と連携強化を行っております。そして、事業者による監視体制強化と児童ポルノ等の発見時の通報体制の構築を図る京(みやこ)サイバーモニター制度の創設を行ったところでございます。あと、流通防止に向けた広報啓発活動につきましては、流通防止教室等で児童ポルノ事犯の現状や永続的な被害の現状などを児童生徒に説明し、児童ポルノ事犯に巻き込まれないために、児童が利用する携帯電話へのフィルタリングの加入促進等を行っております。
 最後は、被害児童の支援推進でございます。
 5点申し上げます。1点目は、被害児童の発見・保護活動です。街頭補導や捜査において得られた情報の活用と、少年相談の利用を促進することなどにより、被害児童の発見、保護活動に努めております。
 2点目は、捜査過程における被害児童の二次的被害の防止・軽減ということで、女性警察官による事情聴取の実施と福祉犯捜査能力や少年の特性を理解した事情聴取能力を有する捜査員の育成と活用を図っております。
 3点目は、被害児童に対する継続的支援の実施、そして、そこでは臨床心理士の資格を有する少年補導職員による個々の被害児童の特性に応じたカウンセリングの実施と、家庭・学校と連携した環境調整等による継続的な支援の実施。
 4点目は、カウンセリング体制の充実でございます。臨床心理士の資格を有する少年補導職員の配置と少年警察部門と被害者支援担当部門との連携を強化しております。
 5点目は、遠隔地に居住する被害児童の支援についてでございます。ほかの都道府県警察における継続的支援が適当と認められる被害児童を発見・保護をした場合の被害児童に係る情報共有と継続的支援の引き継ぎなど、必要な措置を実施しております。
 以上が取り組み状況です。
◯前窪委員
 きょうは全面的にということにはなりませんけれども、今、報告ありましたフィルタリングの件で。この間、府警本部での調査結果が発表されていまして、フィルタリングを利用している方がインターネットでは22.5%程度、携帯電話では25.3%ということで、そういうことをガードするための仕組みをつくっているけれども、なかなか十分利用されていないということで、そういうことは知らなかったという方も22%程度あるという調査結果が出されています。
 フィルタリングというのは、二次的な対策ですけれども、その点では、しかしながら非常に大事なことなので、これを知らなかった人もまだあるという状況をなくしていかなければいけないというのと、フィルタリングそのものをできるだけ家庭でも、いろいろな場所でも、大人の責任として、それをしっかりやっていくべきではないかと思っているわけです。今後のその点での取り組み強化を求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。それが1点。
 それから、もう一つ、供給源を絶つということと、供給の行為そのものを絶つという、大もとを絶つということが一番大事なので、先ほど申しましたように、生活安全局長の通知が出て、警察庁挙げて、都道府県警も挙げて、大もとを絶つところをかなり力を入れてやってもらっていると思います。京都府警でのその点での成果がありましたら、件数でも結構ですので、御報告願いたいのと、その点の今後の活動強化をぜひ求めておきたいと思いますので、その点についての方向について、お答え願いたいと思います。
◯寺井生活安全部長
 1点目のフィルタリングの関係でございますが、一つは、フィルタリングの加入促進に向けた啓発活動の実施状況を少しお話させてもらいます。
 昨年11月から本年8月まで、小学校・中学校を中心にしていますけれども、いろいろな入学説明会とか新入学時の保護者の説明会において、保護者、児童、先生、そういったところの啓発活動、そして、それ以外の保護者会、あるいは非行防止教室での実施、あと、学校・警察連絡協議会というのを設けておりまして、そこでの教育委員会との会議等で、合わせて794回で、積極的にそういった活動をやらせていただいている現状でございます。
 それと、取り組みでございますけれども、今後も各種防犯教室とか非行防止教室等を通じて、保護者等への理解を働きかけ、フィルタリングの普及をこれまで以上にやっていきたいと思っております。
 2点目でございます。一つは、先ほど流通防止、これに向けて、本年9月、京(みやこ)サイバーモニターというのを立ち上げております。これは先ほど少し申し上げましたけれども、京都ネットワーク・セキュリティーの対策協議会の会員を防犯ボランティア、京(みやこ)サイバーモニターとして委嘱させていただきまして、インターネット上にはんらんする違法有害情報の通報体制といったものを官民一体で強化していく。それと、その情報の削除を通じたサイバー空間の浄化活動、あるいは府民に対する広報啓発活動も一緒に積極的に推進して、インターネット利用者の安全確保を図っていくということでやっております。このモニターの任期は2年で、9月に立ち上がったばかりでございますので、削除だとか情報の通報というレベルにはいってないですけれども、今、1カ月なので、頻繁にいろいろ連絡をとり合ってやっているところです。
 サイバーモニターの任務というのは、違法有害情報の発見・通報活動と、先ほど申しましたサイバー空間の環境浄化活動、そして、サイバー犯罪抑止のための広報・啓発活動となっております。
 あと、数字でもいいですが、主な検挙事例といいますか、3点ほど申し上げたいと思います。平成22年11月でございますけれども、無料ゲームサイトで知り合った女子児童15歳の裸を携帯電話で撮影した無職男性を児童ポルノ製造で検挙した。そして、本年2月には、ファイル共有ソフト「シェア(Share)」を使用してインターネット上に児童ポルノを公開していた無職男性50歳を児童ポルノ公然陳列で検挙。三つ目は、これも本年2月ですけれども、携帯電話の掲示板サイトを利用して、多数の児童ポルノDVDを販売していた会社員男性38歳を児童ポルノ提供で検挙したということです。これはいずれも、先ほど申しましたように、サイバー犯罪対策課員と少年課の福祉犯係が合同でやっているものでございます。
 以上です。
◯前窪委員
 今、るる頑張っていただいていることを述べてもらいましたが、ここの犯行というか、愛好者というのですか、常習者というのですか、そういったもののデータベース化を図るのが警察庁の方向のようです。そういう取り組みも京都府警では始められているとは思いますけれども、常習者というか、再犯者というか、そういうものが目立っているのかどうか、データベース化の取り組みについて、若干報告願います。
 最後、時間ありませんので一緒にお答え願いたいのですが、平成22年度に四条通りの交通社会実験が行われまして、京都市の管理する道路ですけれども、都市計画の見直しで、四条通りの歩道を拡幅して、車道は2車線化の方向で、今、検討されています。この点について、京都市や地元との協議、特に警察の所管の関係で、どういう意見調整がされているのか。今後、まだいろいろな意見が出ているようですので、十分な調整を図っていく必要があるかと思っております。とりわけ警察の問題では緊急車両の走行確保だとか、違法駐車をなくすだとか、あるいは、これは道路管理者なるのかもわかりませんが、総量規制の問題だとか、いろいろ課題があろうかと思いますので、その辺のことについても触れていただければありがたいと思います。その点で御報告をよろしくお願いしたいと思います。

◯寺井生活安全部長
 京都府警では、データベース化は今後の検討課題で、そういった準備作業をしているところでございます。
 以上です。