児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

1号かつわいせつDVDを、ビデオ販売店で販売・所持していた事案全部について、1項提供罪(特定少数)・2項所持罪(特定少数)で起訴し、有罪としている支部。

 わいせつかつ1号児童ポルノを売ったり、店頭に並べていた事案。
 裁判所も検察官も弁護人も法文みたことないんでしょう。

罪となるべき事実
被告人は、販売の目的で、H23.12.14、大阪市北区西天満所在のDVD販売店内において、児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態(2条3項1号)であり、かつ男女の性器等を露骨に撮影したわいせつ図画であるDVD10枚並びに、男女の性交場面を露骨に描写したわいせつ図画であるDVD1234枚を所持したものである。

法令の適用
被告人の判示所為のうち、児童ポルノでわいせつ図画であるDVD10枚を所持した点は、包括して児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条2項、同条1項に、わいせつ図画であるDVD1234枚を所持した点は、これらは1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから、同法54条1項前段、10条により1罪として、重い児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の罪の刑で処断することとし、所定刑中懲役刑を選択し・・・
検察庁で保管中の児童ポルノでわいせつ図画であるDVD10枚は、犯罪組成物で、何人の所有をも許さないものであるから、同法19条1項1号、2項本文をてきようしてこれらをいずれも没収し・・・

というのです。
 販売=不特定又は多数の者に譲渡することで、1号ポルノにも掛かっているので、これは5項所持罪(不特定多数)を適用しないと、公訴事実と法令適用がずれているので、理由齟齬になりますよ。
 この支部では、この種事案が全部こうなっていて、全滅です。

第7条(児童ポルノ提供等)
児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
2 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
3 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項と同様とする。
4 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
5 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。