児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

ハメ撮り画像を公開する態様のわいせつ図画公然陳列罪と名誉毀損罪とは、両罪の終期が異なるが観念的競合である(大阪高判H20.10.29)

 ちょっと甘いですよね。

阪高裁平成20年10月29日
第4 奥村主任弁護人の控訴趣意のうち,訴訟手続の法令違反の主張(控訴理由第4)について
 論旨は,要するに,名誉毀損罪とわいせつ図画公然陳列罪とは併合罪であるのに,本件公訴事実には両罪が混然一体として記載されており,2罪を読み分けることが不可能であって,本件公訴事実には訴因不特定の違法があったにもかかわらず,原審は実体判決をしているのであるから,このような原審の訴訟手続には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある,というのである。
 しかし,本件公訴事実中の名誉毀損罪及びわいせつ図画公然陳列罪に該当する行為は,それぞれの終期をいつまでととらえるかはともかくとして,要するに,いずれも,被告人が平成18年6月22日に本件動画を公開したという行為にほかならず,それらが社会通念上1個の行為であることは明らかであるから,両罪は併合罪ではなく,観念的競合の関係にあると解するべきである。所論は,両罪の既遂時期や実行行為の長さには相違があるなどというのであるが,所論の指摘するところは法的観点ないし構成要件的評価の問題であって,それによって本件において両罪に該当する行為が社会通念上1個の行為ではないとみるには至らないのであるから,所論のいうような事情によって両罪が併合罪であるということはできない。所論は前提を欠いており,採用することができない。 論旨は理由がない。