児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

携帯電話は電子計算機か?

 実は、刑法には電子計算機の定義がありません。

刑法
第十九章の二 不正指令電磁的記録に関する罪
(不正指令電磁的記録作成等)
第百六十八条の二  正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
二  前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
2  正当な理由がないのに、前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
3  前項の罪の未遂は、罰する。
(不正指令電磁的記録取得等)
第百六十八条の三  正当な理由がないのに、前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 図書館にしかない本なので、ちょっと紹介しておきます。原典参照を促すためにOCRの誤変換はそのままにしておきます。

P67
米澤慶治「刑法等一部改正法の解説」
ここに「電子計算機」とは、いわゆるコンピュータと同義であり、自動的に計算やデータの処理を行う電子装置のことである。汎用コンピュータをはじめとして、ミニコンピュータ、オフィスコンピュータ、パーソナルコンピュータ等がその代表的なものであるが、その規模、性能等に関する間限定は設けられていないから、他の機器に組み込まれているマイクロコンピュータもここにいう電子計算機に当たる。
したがって、例えば自動販売機や自動改札機等に組み込まれているマイクロコンピュータもここにいう電子計算機に当たり、これに用いられるプリペイドカードや切符等の磁気記録面等も電磁的記録に含まれることとなる。なお、電子計算機の計算方式には、データを通常二値(オンとオフないし0とl) で扱うディジタル方式、データを連続量として扱うアナログ方式、両者を組み合わせたハイブリッド方式があるが、一般の事務処理に広く使用されており、電磁的記録の不正作出・供用罪や電子計算機使用詐欺罪の成立が問題となるのは、通常ディジタル方式による電子計算機である。
なお、電子計算機についての定義規定が設けられていない理由は、電子計算機といえば、自動的に計算やデータ処理などの情報処理を行う電子装置であるという一般的な理解が既に定着していると認められるからであり、現に他の法令においても、電子計算機自体についての定義規定を設けている例はない。電子計算機について、例えば、あらかじめ定められた一定のプログラムを踊次自動的に実行して情報処理を行う電子装置というように、その情報処理の方式の面から定義を設けることも考えられないではないが、現在でこそ右のようないわゆるノイマン型コンピュータが主流となっているものの、既にいわゆる人工知能あるいは第五世代コンピュータといわれるような、より柔軟に人間の思考形態に近い情報処理を行う電子計算機の研究も進んでいることにかんがみると、現時点における特定の情報処理の方式をもって電子計算機を定義することは相当ではない。また、電子計算機の性能や利用形態といった観点から定義規定を設けることも考えられないではないが、電子計算機には、いわゆるスーパーコンピュータや汎用大型コンピュータから他の機器に組み込まれたマイクロコンピュータのようなものまで種々の性能や利用形態のものがある上、電子計算機に関する技術の進歩には著しいものがあるため、現時点で考えられる性能(演算速度や主記憶容量等)や利用形態(パッチ・システムかオンライン・システムか等)等を前提として一律にその範囲を限定したのでは、個々の場面において具体的な法益の保護に欠けることともなりかねず、やはり相当ではないと考えられる。なお、個々の構成要件における電子計算機は、例えば、電磁的記録の不正作出・供用罪においては、それが権利、義務
又は事実証明に関する電磁的記録を使用するに足る規模、性能を有するか、電子計算機損壊等業務妨害罪においては、それ自体が電子計算機としての一定の独立性をもって業務に使用されているか等、それぞれの保護法益との関係からおのずとその具体的な範密を異にすることとなるのは当然である

「罰則の定めのある条例等の事前協議及び通報について」という検事正の通知がある地方もあるようです。

http://www3.e-reikinet.jp/hanamaki/d1w_reiki/424902200016000000MH/424902200016000000MH/424902200016000000MH_j.html
花巻市条例等の整備基準に関する規程
5) 罰則の定めのある条例及び規則(過料のみの罰則を定めたものを除く。)の制定改廃にあっては、罰則の定めのある条例等の事前協議及び通報について(平成17年8月22日付け盛地企第165号。盛岡地方検察庁検事正通知)に基づく検察庁との事前協議の期間及びこれに係る例規主管課による審査の期間を考慮すること(原則として、これらを合わせて6月を目途とする。)。