相変わらず自首の相談が多く、弁護士に頼らず自首したいというのですが、チームで臨む捜査機関に対して、被疑者1人で下記の要件を満たすような申告をすることはなかなか難しいようです。後日逮捕されて公判で自首の主張をされて否定された方もいます。
弁護士が受任した場合には、書面を作って、警察と調整します。
裁判例コンメンタール第1巻P397
1 自首の意義
本条は、自首の要件とその効果を定めたものである。
自首は、
(1)罪を犯した者(犯人)が、
(2)捜査機関に発覚する前に、
(3)捜査機関に対して
(4)自発的に自己の犯罪事実を申告し、
(5)訴追を含む処分を求めることであるとされる。
2 自首の主体
自首については、犯人自らがこれを行わなければならないのか、あるいは、第三者を介して行うことが可能であるかという問題があるが・・・3 「捜査機関に発覚する前」 の意義
自首が成立するためには、捜査機関に「発覚」 する前に犯罪事実を申告することが必要であるが、本条における「発覚」とはどのような意味か、すなわち、捜査機関がいかなる事実を覚知していると自首が成立しないのか、という点が問題となる。・・・4 自発的な犯罪事実の申告
(1) 自己の犯罪の申告であること
自首が成立するためには、犯人が捜査機関に対Lて、「自己の」犯罪事実を自発的に申告することが必要である。・・・(2) 申告の自発性
自首が成立するためには、犯人が、「自発的に」申告したか否かも重要である。犯人が警察官から職務質問を受けて自己の犯罪事実を申告する場合や、別の犯罪事実により取調べを受けているときに警察官に対して犯罪事実を供述する場合に、実務上、自首の成否が問題とされることが多い。・・・・
(3) 申告内容の真実性
次に、申告する犯罪事実の内容については、犯罪事実のすべての部分において正しいものである必要があるのか、一部について虚偽であっても、自首が成立するのかといった点が問題となる。・・・
5 訴追を含む処分を求める意思表示
自首が成立するためには、単に自己の犯罪事実を捜査機関に申告するだけでは足りず、黙示的であっても、自己の訴追を含む処分を求めることが必要である・・・