控訴すれば、高裁の裁判長にアイドルグループの名前とアイドルの名前を連呼させることができたのに。
事実の概要
本判決が認定した事実は以下の通りである。
被告人は、行使の目的で、ほしいままに、平成21年11月4日ころ、自宅において、印刷業を営む情を知らないAに作成させた「劇場盤握手券」と題する書面10枚の裏面に、製印業を営む情を知らないBに作成させた「C」と刻したゴム印を押印するなどし、さらに、同月7日ころ、自宅において、前記Aに作成させた「劇場盤握手券」と題する書面5枚の裏面に、前記Bに作成させた「D」と刻したゴム印を押印するなどし、E株式会社発行のアイドルグループ「F」のメンバーCと握手する権利が表章された劇場盤握手券10枚及び前記「F」のメンバーDと握手する権利が表章された劇場盤握手券5枚(以下、「本件各握手券」という)をそれぞれ偽造した上、同月10日、歩道上において、Gに対し、これらを偽造である旨を告げて交付した判決要旨
被告人及び弁護人は、本件各握手券には財産上の権利が表章されているとはいえないから、刑法上の「有価証券」に当たらず、有価証券偽造罪及び偽造有価証券交付罪は成立しないとして、被告人は無罪である旨主張したが、東京地裁は、上記事実関係の下、次の通り判示して、被告人に両罪の成立を認めた(確定) 。
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[付記]
本稿の執筆にあたり、東京弁護士会の村上元茂弁護士より資料をご提供いただいた。厚く御礼を申し上げる。
(みかみ・まさたか)
読売新聞社 2010年8月26日(木)]
「AKB」握手券偽造 無職男に有罪判決
人気女性アイドルグループ「AKB48」のメンバーとの握手券を偽造するなどしたとして、有価証券偽造・同交付罪に問われた被告の判決が25日、東京地裁であり、近道暁郎裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。
弁護側は「握手券はCDの付録で金銭的な価値はなく、有価証券にあたらない」などと無罪を主張したが、判決は「券にはメンバー1人と握手できる権利が表示され、インターネットのオークションで売買されるなど財産的な価値があることは明らかだ」として退けた。