児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

3項製造罪で逮捕して強制わいせつ罪を追加して起訴された場合

 軽い非親告罪だと思ってのんびり構えていると、重い親告罪もくっつけて起訴されると不意打ちの面があります。
 撮影行為自体が強制わいせつ罪ですから、捜査弁護としては、逮捕時点で示談を試みないとだめということですね。

児童ポルノ製造、元教諭を再逮捕 強制わいせつ容疑 /長崎県
2010.10.29 朝日新聞
 県警によると、再逮捕の容疑は、7月下旬ごろ、県内の小学校低学年の女児の服を脱がせ、その様子をビデオカメラで撮影してハードディスクに保存したというもの。
 県警が押収した容疑者のハードディスクには画像約2700枚、動画約250本が保存されており、多くが児童ポルノだったという。県警は他に被害者がいないか捜査を続けるとしている。
 一方、長崎地検は28日、容疑者が今年9月下旬、県内で、7歳と8歳にわいせつな行為をし、その様子を写真や動画で撮影して保存したとして、強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の罪で起訴した。

懲戒免の元教諭 別容疑で再逮捕 児童ポルノ法違反=長崎
2010.10.29 読売新聞
 また、長崎地検は28日、容疑者を強制わいせつ罪などで長崎地裁に起訴した。起訴状によると、9月25日頃、県内で、当時8歳と7歳の女児の服を脱がせ、体の一部をデジタルカメラで撮影し、画像をハードディスクに保存したとしている。

 これも、逮捕罪名は懲役3年で、起訴罪名は懲役10年。

児童ポルノ製造 陸士長を起訴 強制わいせつ罪などで=大分
2010.10.26 読売新聞
 携帯電話のゲームサイトで知り合った中学の女子生徒(14)に裸の写真をメールで送らせたとして、児童売春・児童ポルノ禁止法違反(単純製造)と強要容疑で逮捕、送検された容疑者(22)について、大分地検は25日、児童売春・児童ポルノ禁止法違反と強制わいせつ罪で大分地裁に起訴した。

 デジカメだけなら観念的競合ですよね。HDDまで複製すると、わいせつ行為とはずれてくるので、併合罪にするという判例があります。それでも科刑上一罪だという裁判例もあって、よくわからないところです。そういうところで上訴すると効くんですけど、弁護人が思いつかないので、多くの事件で知らぬが仏になっています。