児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「【ドイツ】 児童ポルノへのアクセスを遮断する法律のゆくえ」外国の立法 (2010.4)

http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/24301/02430112.pdf
【ドイツ】 児童ポルノへのアクセスを遮断する法律のゆくえ
2010年2月17日、ケーラー連邦大統領は、「通信網における児童ポルノグラフィーの
防止に関する法律」に署名し、同法は同月22日に公布され、一部を除き、翌日施行された。同法は、インターネット・プロバイダーに児童ポルノサイトへのアクセスを遮断する措置をとることを義務づけ、遮断すべきものとして刑法上の児童ポルノに該当するコンテンツのリストを連邦刑事庁が各プロバイダーに提供すること等を内容とする。同法は、大連立政権時の2009年7月10日、連邦参議院の同意を得て成立したが、同年9月の総選挙の結果政権与党となった自由民主党(FDP)がインターネットの検閲につながるなどとしてその内容に強く反対し、10月26日に調印された連立協定では、法律の施行を1年間延期する代わり、児童ポルノサイトの発見と撲滅(消去)を強化してその効果を検証することとしていたものである。1年を待たず大統領が「憲法上の問題なし」と判断して署名したことにより、公布・施行された法律が事実上執行されない事態となっている。
「[短信]【ドイツ】通信網における児童ポルノ防止法(アクセス困難化法)の成立」『外国の立法』240-2号(2009.8)28頁及び「[立法情報]【ドイツ】新連立政権の政策課題」同242-1号13頁参照。 (海外立法情報課・山口 和人)