児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

撮影型の強制わいせつ罪(仙台高裁H22.6.22)

 地位利用・信頼違背は重くなります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100623-00000066-mailo-l03
仙台高裁は22日、1審の盛岡地裁判決(懲役4年)を支持し、被告側の控訴を棄却した。飯渕進裁判長は「小児科医師としての職務に背を向ける言語道断の所業だ」と指摘した。
 高裁判決によると、被告は05年9月から08年10月にかけて、同病院で診察に当たっていた、当時小学校3年生の女児2人と高校1年生の女子生徒の計3人に対し、服を脱がせて写真を撮るほか自身の下半身を触らせるなどした。
 今年2月に弁護側が量刑不当を理由に控訴していた。

 こんな訴因だと思います。

被告人は,Aにわいせつな行為をしようと企て,平成22年6月15日午後4時2分ころ,大阪市において,同人に対し,(暴行脅迫等),同人の下着を引き下ろして,その陰部をカメラ付き携帯電話機で撮影した上,その陰部を手でなでるなどし,もってわいせつな行為をした。

 撮影行為は、強制わいせつなんですよ。
 ところで、強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪の併合罪説ってあるじゃないですか。東京高裁H19.11.6(安廣部長)とか。
 とすると、

被告人は,Aにわいせつな行為をしようと企て,平成22年6月15日午後4時2分ころ,大阪市において,同人に対し,(暴行脅迫等),同人の下着を引き下ろして,その陰部をカメラ付き携帯電話機で撮影した上,その陰部を手でなでるなどし,もってわいせつな行為をした。

併合罪関係の2個の訴因をごっちゃに書いているからだめです。

 仙台高裁H21.3.33は観念的競合説、東京高裁H19.11.6は併合罪説。最高裁は未定なので、判例違反で上告すれば未決勾留が稼げそうです。
 でも、控訴審判決に、この論点を出しておかないとだめですよ。ということは控訴理由にも入れとかないとだめです。