児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

着衣の上から臀部をなでる行為は猥褻行為に当たらない(福島簡裁S33.1.18)

福島簡易裁判所昭和33年1月18日
第一審刑事裁判例集1巻1号21頁
しかし按えてみるに、刑法第一七四条にいわゆる猥襄とは「徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいう」(昭和二六・五・一〇最高裁判所第一小法廷判決参照)のであるがその行為についていうなら故なき性器の露出、性交の状態又はこれに類する性的姿態を露骨な表現によつてこれを示すことにあるといえよう、ところで本件被告人の所為は前段認定のごとくいずれも単に臀部を着衣の上から撫でたというのであつて反良俗的行為ではあるが上記性的行為とは目し難く、社会通念上これを猥褻行為とはいえない、つまるところ被告人の所為は公然猥褻の罪を構成しないものというべきであるから刑事訴訟法第三三六条前段により被告人に無罪を言渡すべきものとし主文のとおり判決する。