児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

教員による事件の使用者責任

 本気で犯罪被害者保護を進めるなら、国や自治体は、進んで責任を引き受けるくらいじゃないとね。
 被害者に刑事訴訟に参加させるなどする一方で、民事賠償での満足については冷たいですよね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100331-00000834-yom-soci
学習塾小6刺殺、塾に9900万円の賠償命令
 京都府宇治市の学習塾「京進」で2005年12月、小学6年堀本紗也乃さん(当時12歳)がアルバイト講師に刺殺された事件で、紗也乃さんの両親が、事故防止を怠る安全配慮義務違反があったとして、京進に1億3000万円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁は31日、使用者責任を認め、京進に9900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

http://mainichi.jp/area/chiba/news/20100331ddlk12040141000c.html
浦安市は29日の上告断念に際し「刑事事件での無罪判決を重く受け止めた。関係者の調査からも事実は確認できなかった」とコメントしており、性的暴行の事実を認めない姿勢を貫いている。
 控訴審判決が確定する見込みとなったことについて、原告側の少女の母親は取材に「ほっとしている」と安堵(あんど)の表情を見せた。その一方で「行政は事実を認めておらず、責任を取っていない。事件の検証と、被害防止の対策作りを求めたい」と厳しく指摘している。

 元教諭は強制わいせつ容疑で逮捕、起訴されたが、千葉地裁は知的障害を持つ少女の証言について「信用性に疑問がある」とし、無罪判決。控訴審で東京高裁も「少女がわいせつ行為を受けたことは疑問を差し挟む余地がない」としながらも、証言にあいまいさが含まれていることを踏まえ、1審判決を支持。06年2月に元教諭の無罪が確定した。

 一方、民事では千葉地裁が08年12月、元教諭の暴行の一部を認定し、県と市に計60万円の支払いを命じた。控訴審は少女の証言の信用性を大幅に認め、新たな性的暴行を認定。賠償額を計330万円に増額した