児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

研究計画書

 「研究計画の書き方」を買ってきましたよ。
 「2000字程度」で。これで1000字。

1 これまでの研究
 私は、国選事件として受任した児童ポルノ販売目的所持事件(大阪地裁H12.3.31→大阪高裁H12.10.24)をきっかけにして、これまで100件以上の福祉犯・性犯罪に弁護人として関与した。
 そのうち、公刊された裁判例は別途事件目録として提出した通りだが、実はほとんどが公刊されていない。
 主張として取り上げた主な論点は、
児童ポルノ・児童買春罪の事物管轄
児童ポルノ罪の保護法益
児童ポルノ罪における児童の実在性
「性欲を興奮させ又は刺激するもの」の判断基準
児童ポルノ事件における訴因特定
児童ポルノ被害児童の年齢不詳の場合の立証方法
児童ポルノ製造罪(7条3項)の実行行為
児童ポルノ罪における被害者の承諾
児童ポルノ製造罪と他罪(強制わいせつ罪、児童買春罪、児童淫行罪)との罪数関係
撮影後複製された場合の児童ポルノ製造罪の罪数(単純一罪・包括一罪・継続犯)
児童ポルノ製造罪の罪数
児童ポルノ提供罪・所持罪の罪数
児童ポルノ提供罪と他罪(わいせつ図画・関税法
児童ポルノ買主の処罰の可否
児童ポルノデータの配布行為の擬律
児童ポルノ公然陳列罪の罪数
他人により児童ポルノ画像が記録され公然陳列された場合のサーバー管理者(プロバイダ等)の刑事責任
児童ポルノ画像にリンクを張る行為・URL掲載行為の擬律
児童買春罪の実行行為
児童買春罪の「対償供与の約束」には真意を要するか
児童買春罪と青少年条例違反との関係
国外犯における外国官憲作成書類の証拠能力
などであり、いずれも、実務においては重要な問題であるにもかかわらず立法時に明らかにされていない点について高裁レベルの判断を得て問題を解消した。中には、法改正の契機となったもの(児童ポルノデータの配布行為の擬律)もある。
 その際、新しい法律であるために判例・文献が乏しいため、全部の裁判例を調査することにした。具体的には弁護人として、最高裁から関連事件の事件リストを頂き、それに基づき全国の検察庁(保管検察官)において刑事確定訴訟記録法による判決書を閲覧するという方法を取った。これまでに児童ポルノ・児童買春法、児童福祉法、強制わいせつ罪、強姦罪を中心として5900件を収集して資料として活用している。