児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

賠償命令制度に“穴” 迅速被害弁済 期待外れ 被告異議なら民事訴訟へ 「逃げ得」指摘も

 そんなことは最初からわかっていて、簡易な手続きを目指して、制度を作りました。
 勝っても財産が見つからなければもらえないというのが日本の民事訴訟の基本なので、民事訴訟そのものが「穴」ということになりますね。
 あとは犯罪被害給付制度という制度になっています。
http://www.npa.go.jp/higaisya/shien/kyufu/seido.htm

http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/6948/
 このほかに熊本地裁で2件の賠償命令が出たが、うち1件は異議を申し立てられた。異議がなかった傷害致死事件では、交際女性の男児を虐待死させた男に約2000万円の賠償責任が確定したが、現時点で賠償されておらず、女性の代理人弁護士は「結局は泣き寝入りだ」と話す。
 諸沢英道・常磐大大学院教授(被害者学)は「損害賠償命令制度は、被告が賠償命令に同意しなければ、民事訴訟になる。『支払い能力がない』と逃げ得を許すので切り札にならない。国が一時的に補償し、国が被告から後に取り立てる制度など考えるべきだ」と制度そのものの在り方に疑問を投げかけている。

AがBを殺したというときに、「基本的にはAが賠償すべきであって、気の毒なので少しは損害填補するが、税金で全額補償されるのは納得できない」というのが、犯罪被害給付制度の趣旨であって、これまでの国民の意思だったと思います。刑事政策の教科書に出ています。


 被告・被告人が異議を出すのは無料ですが、原告・被害者は、異議を出されると、訴訟費用を納めることになります。正式な民事訴訟で、ちゃんと立証しないと主張は認められませんから、原告・被告とも、代理人に着手金等を払うことになるでしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091024-00000271-mailo-l41
 この制度は被害者らが民事訴訟を起こす負担を軽減することを目的に、昨年12月に導入された。賠償命令は異議がなければ民事訴訟の確定判決と同一の効力を持つが、異議が出れば、通常の民事訴訟手続きとなる。
 今回申請していたのは、白石町の70歳と69歳の夫婦。地裁武雄支部は9月16日、夫婦に重軽傷を負わせたとして傷害罪などに問われた被告の男(49)に懲役3年4月の判決を言い渡した。被告は控訴している。
 武雄支部は今月2日付で請求額満額の賠償命令を出したが、被告が13日に異議を申し立てた。請求額は公表していない