児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

裁判員裁判 弁護活動に“地域格差” 移動に負担、人員不足… 被告人に不利益も

 勾留の主体は裁判所なんだから、最初から青森本庁の管内に勾留して欲しいですよね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091002-00000029-san-soci
地域格差はこれまでの裁判員裁判でも浮かび上がった。「被告人との接見は週に1回程度が限界」。青森地裁で9月2〜4日に開かれた裁判員裁判で、被告の主任弁護人は振り返った。
 被告が勾留(こうりゅう)されていたのは、青森県警十和田署。本来なら青森地裁八戸支部の管轄だが、同県内の裁判員裁判青森地裁だけで開かれるという事情が影響した。このため主任弁護人は、十和田市青森市間の往復140キロを行き来することを余儀なくされた。この主任弁護人は「冬には雪などで交通事情はもっと悪くなる。接見や打ち合わせの回数はもっと減る」と指摘する。

こういう条件整備ができないのに、導入してしまったんですよね。

[司法新時代]検証・1号事件(2)苦悩の弁護側(連載)=青森
2009.10.02 読売新聞
 十和田署が被告の男(22)を強盗強姦(ごうかん)などの疑いで逮捕したのは、今年2月下旬のことだった。5月には別の強盗強姦容疑などで再逮捕し、起訴されたこれら事件は、県内初の裁判員裁判になることがほぼ確実になった。
 「初めて経験する裁判員裁判。注目度も高い」。最初の逮捕以来、国選弁護人を務めていた十和田市の安沢裕一郎弁護士は、すぐさま竹本真紀弁護士に協力を要請した。検事出身の竹本弁護士は、刑事事件の公判の経験が豊富であるのに加えて、公判が開かれる青森地裁と迅速に対応できる青森市地区の弁護士。2人態勢で臨むことになったが、時はすでに5月中旬。地検は公判をにらみ、組織をあげて準備を加速させていた。
 主任弁護人となった竹本弁護士は週に1、2回、業務を終えた後に、被告が収容されている十和田市に車で出向き、接見を重ねた。不遇な生い立ち、更生の可能性、そして若さ……。被告に情状すべき事情を一つでも多く聞き取り、公判に備えた。そして公判では情状酌量を求めたが、性犯罪に厳しい市民感情の壁も立ちはだかり、弁護側の主張はほとんど退けられた。「民事などほかの業務を抱えながらの弁護士は、どうしても時間的な制約がある。検察と同じレベルで比較されるとつらい」。竹本弁護士は唇をかみしめた。
 裁判員裁判の国選弁護人は、弁護を希望する弁護士の名簿をもとに、法テラス青森が事件ごとに選ぶ。しかし、名簿登載の弁護士は現在、県弁護士会に所属する6割弱の39人。高等検察庁などからも応援が入る地検との組織力の差は歴然としている。

 参加に消極的な弁護士には、裁判員裁判で弁護の手法そのものが根本的に変わったことに戸惑いも根強い。