被害者に負担になるなら失敗で、従来通り、ひっそりと職業裁判官が裁けばいいんですよね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090913-00000020-mailo-l03
しかし、傍聴した性犯罪被害経験者の小林美佳さんは「名前や住所が隠されたからプライバシーが保護されたとは言えない」とする。選任手続きでは名前を知らなくても被害者と面識がある人などを完全に除外できない▽公判では検察官が被害状況を事細かに説明した−−の2点を指摘する。小林さんは「被害が明らかになることも内面のプライバシーの侵害で被害者には苦痛だ」という。
青森市の女性団体、ウィメンズネット青森の佐藤恵子副理事長も「法廷で詳細に事件が語られるのを知り、被害者が訴えをためらう恐れもある。顔を見えないようにし、遠隔地で裁判をすることも検討すべきだ」と話す。
一方、盛岡地裁や盛岡地検は「青森モデル」を基に対策を検討する。小林さんらの指摘に対して、盛岡地裁の伊藤茂勝総務課長は「選任手続きは、青森のやり方を基本に極力注意をする。公判のことは、公判前手続きで検察、弁護士と相談していくしかない」と話す。盛岡地検の中川一人次席検事も「被害者の意見陳述の有無で判断が左右されないように気をつけ、他県の例も見て一番良い方法を探りたい」という。性的犯罪の弁護経験のある県内の弁護士は「これまでも匿名など対策は取られていたので弁護に影響はない。被害者の負担を軽くするために裁判所、検察と協力する」と話した。
青森地裁では判決後、会見した裁判員が「こんなにひどいことが起きていると知るきっかけになった」と話し、性犯罪を理解する機会になったと評価する声もある。小林さんは「裁判員裁判をしてやっと気づいた社会の意識の低さを認識したうえで裁判のあり方自体を考え直すべきだ」と課題を投げかけた。