児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ致傷罪で、裁判員裁判を避けるために示談したそうです。

 そうなるでしょうね。
 性犯罪者が頼んじゃ訳でもないのにこういう制度になりました。

特報 性犯罪の裁判員法廷 露骨描写『ショック』 背景に“分かりやすい裁判” 被害者守る司法体制を 厳罰化 『感情より刑法改正』
2009.09.09 中日新聞
 ■好奇心
 まずは、強姦の“実況中継”と言われるほどの説明は必要か。
 性犯罪被害に詳しい金塚彩乃弁護士は「詳細な事件の再現は被害者にさらに重い負担を強いる。これまでも性犯罪事件の法廷は、好奇心で傍聴する人で常に満席。少しでも強姦の場面が読み上げられると、一斉にメモを取る光景がみられるほど。裁判員裁判を避けるために起訴をあきらめる被害者が出てくる恐れが高い」と話す。
 現に懸念した通りのことが起きてきている。
 「裁判員裁判でなければ、本当は加害者に刑罰を受けさせたかった」。強姦致傷の被害に遭ったある女性は最近、裁判員裁判を避けるため、加害者との示談に応じた。検察は加害者を起訴せず、釈放した。
 女性に、そう決意させたのが捜査の過程で聞いた検察官の言葉。
 「あなたの事件は、このまま起訴すれば裁判員裁判になる。今は裁判員裁判が注目されているから、マスコミが取材して、事件の内容が報道されるだろう。個人情報が絶対に漏れないという保証もできない」
 女性の相談を受けた弁護士は「裁判員裁判でなければ裁判をする意思があった、と女性ははっきり言っている。被害者が声を上げられなくなったら、犯罪が隠ぺいされてしまう」と話す。
 福島県で初の裁判員裁判になる予定だった強姦致傷事件も、加害者は起訴猶予に。事情は明らかでないが、起訴前に被害女性が示談したためだ。同じようなことが続く可能性は高い。
 ■不平等
 次の疑問は「市民感覚の反映」が、ともすれば感情偏重にならないかという点だ。
 過去に性犯罪被害に遭った大学職員の女性(29)は「厳しい判決になったことを、手放しで喜べない。被害感情を重くみて厳罰化が進んだということに、すごく違和感がある」と話す。
 女性は、刑を重くするため被害者が証言を強いられる事態になりかねないと懸念する。「深刻な被害に遭った被害者ほど、なかなか言葉にできない。裁判員の感情によって個別の事件が厳罰化されても不平等。性犯罪への刑罰が軽いことを改善するなら、国会で刑法改正を審議する方が先」
 さらに、女性は「青森のケースは、見知らぬ他人による犯行だったが、性犯罪は顔見知りの犯行が大半だし、加害者が否認することも多い。今後、そうした性犯罪事件が対象になれば、被害者側に原因があるかのようにあげつらう裁判になりかねない」。
 青森の法廷を傍聴した中京大大学院の柳本祐加子准教授(ジェンダー法)は「裁判を通して見えてきたのは、裁判員裁判の場だけ性犯罪被害者への配慮をしてもダメだということ」と話す。
 「死んで貞操を守らないのはおかしい」「なぜ夜道を一人で歩いていたのか」…。犯罪とは無関係な被害者の事情を“落ち度”とする偏見は、捜査段階から裁判に至るまで根強い。「米国などでは、過去の性体験など、法廷に持ち出してはいけない被害者の個人情報を定めた法律がある。日本では被害者を守る司法の体制が整っていない」
 柳本准教授は言う。「たとえ訴えても立件されるのはごくわずか。裁判に持ち込まれる事件は氷山の一角にすぎないのに、裁判員裁判でさらに減らされる危険性がある。まずは性犯罪について、日本の刑事司法全体の取り組みを見直す必要がある」

 どんな事件でも、被害者に落ち度がある場合もありますよね。そういう主張を法律で禁止しろというんでしょうか?
 「死んで貞操」とか「夜道の独り歩き」なんて判決では言及しませんよね。きょうび。