児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

乱交パーティーで8人逮捕=マンションで公然わいせつ容疑−宮城県警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090618-00000103-jij-soci
公然わいせつや同ほう助容疑で、容疑者(46)ら20〜40代の男女8人を逮捕した。
 逮捕容疑は、17日午後6時ごろから、仙台市青葉区のマンション一室で、乱交パーティーを開催、インターネットの掲示板を見て参加した客らを交え、わいせつ行為をした疑い。

 これくらいでも「公然」です。

東京高等裁判所昭和33年7月23日
高等裁判所刑事裁判特報5巻8号345頁
東京高等裁判所判決時報刑事9巻7号220頁
判例タイムズ83号53頁
〔判旨〕 所論にかんがみ記録を調査するに、被告人神作康夫に対する直判示公然猥褻及び猥褻図画陳列の事実は原判決挙示の証拠により明らかなように、不特定多数の客を勧誘しこれに観覧の機会を提供しているのであるから、たとえ会員組織の如く半ば秘密に会員券を売り会場は外部の人の出入を許さず、客同志も殆んどお互に判らず未成年者は入場しなかつたとしても、それが刑法上所謂公然となされたものに該当すること論をまたない。

東京地方裁判所昭和30年10月31日
判例時報69号27頁
 第一、被告人らは共謀の上、昭和二十九年十一月十日午後七時頃から、同日午後七時十八分頃迄の間、東京都新宿区個人方二階六畳の間において、被告人Aにおいていわゆる白々の実演の主宰をし、被告人Bにおいて、その管理下にある白々の実演者被告人C及びDを派遣し、被告人E及びFにおいて、全裸となり俗に張型と称する性具を使用し、俗に白々と称する性交の擬態を実演し、これをM等約五名に観覧させ、もつて、公然猥褻の行為をなし、

余談ですが、こんな判例があるようです。

判例コンメンタール刑法2巻 池本判事
公然性との兼ね合いで、性器を露出してもわいせつ性が否定されることもあり得る。東京高判平17・2・7は、6月下旬の早暁に人通りのない路地で男性が壁に向かいズボンを下ろして陰部を露出した行為につき、ことさらに他人に示したとか性的興奮を満足させるための行為と認められないなどとして、公然わいせつ罪の成を否定した


追記
 これ、奥村にコメント取りに来てもおもしろくないんですよ。刑法の教科書通りで。
 規制反対派の活動家みたいなのを取材しないと。

http://www.j-cast.com/2009/06/19043636.html
今回の事件をブログに書いた奥村徹弁護士は、摘発の理由について、1回のパーティーで16人もの参加者がいたことなどが大きいとみる。
「特定の人たちだけの秘密結社なら話は別ですが、今回は、営利目的で客をたくさん増やそうとしています。ネットを使って募集しているので、『不特定』とみなされます。また、5、6人もいれば、『多数』とみなされてしまいます。こうしたことは、判例でも出ていますね。また、わいせつ事件では、被害者がいないのは当たり前です。私は、今回の摘発については、違和感がありません」
奥村弁護士は、「不特定」の人たちでなく、特定の知人同士であっても、「多数」とみなされれば、公然わいせつ罪に問われると言う。つまり、特定の少人数でもない限り、乱交パーティーは基本的に御法度ということだ。
もし、パーティーがしたいのであれば、現状では規制のない国でするしかないという。
「刑法には、古い考え方に基づいているところがあり、時代に合わなければ変えられていくでしょう。こうした類のパーティーがあってもいいと社会的合意ができれば、将来は改正される可能性があると思います」