児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被害児童にインタビューしたいので紹介してくれないか?という報道機関 

 だいたい、児童ポルノ・児童買春の被害というのは実感できるとは限らないし将来的な害悪かもしれないのに、本人に聞いてもわからないですよね。映像としては押さえておきたいのはわかりますが、それほどの意味はありません。
 さらに、法12条があるので、弁護人として扱った事件について、弁護人が教えるわけがありません。さらに傷つけば気の毒だし。
 法15条の関係行政機関である児童相談所は被害児童から求めない限り関与しませんから、無理。NGOの活動は聞いたことがない。
 結局、警察しかありません。
 援交シリーズの製造犯を検挙した県警の被害者担当に取材して下さい。被害児童のインタビューは無理でしょうが、エピソードくらい拾えるかもしれません。

第12条(捜査及び公判における配慮等)
第四条から第八条までの罪に係る事件の捜査及び公判に職務上関係のある者(次項において「職務関係者」という。)は、その職務を行うに当たり、児童の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならない。
2 国及び地方公共団体は、職務関係者に対し、児童の人権、特性等に関する理解を深めるための訓練及び啓発を行うよう努めるものとする。
第14条(教育、啓発及び調査研究)
国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの提供等の行為が児童の心身の成長に重大な影響を与えるものであることにかんがみ、これらの行為を未然に防止することができるよう、児童の権利に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの提供等の行為の防止に資する調査研究の推進に努めるものとする。
第15条(心身に有害な影響を受けた児童の保護)
関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2 関係行政機関は、前項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。
第16条(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。