児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

中学元教諭の児童買春:懲役1年10月−−地裁判決 /栃木(宇都宮地裁H20.2.29)

 児童買春4罪+3項製造罪(姿態とらせて製造)1罪くらいですかね。
  12/30 初公判
  2/15 論告弁論
  2/29 判決 実刑
 実刑にしてもちょっと重いと思います。
 「教員」に対する社会的信用なんてないんだから、「教員」の加重というのもやめてもいいですよ。

 なお、児童買春に伴う製造(7条3項)があるので、量刑不当に実行行為の特定や罪数の問題を含めて、控訴することを勧めます。見解が分かれている東京高裁ですからね。何も立証しないで量刑不当だけ主張しても控訴棄却だと思いますが。

 悪いことをしたのは確かですが、「姿態とらせ」が実行行為かどうか裁判所もわからないというこんなへんてこな構成要件で刑務所に入れられるのは納得できないですよね。立法ミスだと考えています。
 罪数にしても、よそで同じことをしたひとが一罪なのに、自分だけ併合罪だというのも不公平感が残ります。
 こんなところは、早く判例で解決して、スパスパ斬って行きたいところです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080301-00000026-mailo-l09
中学元教諭の児童買春:懲役1年10月−−地裁判決 /栃木
被告は06年11月23日〜07年8月8日、宇都宮市内のホテルや、駐車場に止めた乗用車内で、出会い系サイトで知り合った当時15〜17歳の少女4人に対し、18歳未満と知りながら現金を渡してみだらな行為をした。うち1人の少女については、裸をデジタルカメラで撮影した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20080301/CK2008030102091735.html
井上泰人裁判官は「自己中心的な動機に酌量の余地はなく、性犯罪に対する傾向性は憂慮すべきものがある」として懲役一年十月(求刑同二年六月)を言い渡した。
 井上裁判官は判決で「教育者でありながら児童らの健全な成育に悪影響を及ぼす行為に及んでおり強い非難に値する」と悪質さを指摘。「(既に)社会的制裁を受けているが、執行を猶予するには足りない」と述べた。

 科刑状況を知らず、「懲戒処分で社会的制裁を受けているから執行猶予になるだろう」なんて、製造罪を甘く見ると、意外に思うかも知れません。