相手が特定されないと、個人的法益の脅迫罪が適用しにくいので、業務妨害罪で立件してますよね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080218-00000045-jij-soci
書き込みは殺害の相手を特定しておらず、同課は県内の全女子小学生に対する脅迫容疑を適用した。
同容疑者は「反応が面白かった」と書き込みを認めているという。
調べでは、容疑者は1日午前7時5分ごろ、携帯電話から掲示板に「千葉の女子小学生を2月15日15時に殺しちゃいます」と書き込み、県内の公私立小学校などの女子児童計16万4780人を脅迫した疑い。
第222条(脅迫)
1 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
見た人を殺すという趣旨に読めば、相手方不特定でもいけるようですが、犯人側も誰が読んだか分からないので、見た人を目指して殺しに行けないですよね。
条解刑法第2版p610
加害告知のための手段を採った時点では,相手が不特定であっても構わない。落とし文に拾得者等に対して害悪を加える旨記載し,実際に拾得した者にこれを読ませて加害の告知をした場合でも本罪は成立する(強要罪につき大判昭16・2・27)。
ホームページ上にアクセスしてきた者に対して害悪を加える旨記載しておき,これを読ませて加害の告知をするということも考えられる。
もっとも,このような場合には,告知内容の害悪が不特定の者に向けられるものであるため,告知者の意思によって実現可能な害悪であると相手に思わせ得る加害内容といえるかどうかが問題となろう。
小学生全員について既遂かも問題になりそうです。
裁判例コンメンタール刑法第2巻p35
3 既遂時期
本罪の未遂は不可罰であるから既遂に達しない場合は犯罪を構成しない。
具体的には、害悪の通知をしても相手方がそれを了知しなければ本罪は成立しないということになる(通説)。判例も、害悪の告知があったというためには、到達に至る因果関係を問わないが、相手方が告知内容を了知することを必要とするものと解される(大判明44・6・29