児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

[性犯罪]奈良県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第12条の一部改正(案)の概要について

 盗撮行為についてきめ細かく規制する条例になっています。
 「公営プールで遊んでいる『児童』の水着姿を透視機能付きカメラで透視又は盗撮する行為」などの撮影行為を規制する点で児童ポルノ製造罪とダブるんですが、条例は社会的法益だそうですから、両方に該当する場合は観念的競合ですか?
 条例の子どもポルノ所持罪とは併合罪ですかね。
 しかし、警察官の盗撮をきっかけにして、奈良県民とか奈良県にいる人は厳しい規制をうけるわけですね。

http://www.police.pref.nara.jp/mail/071127PubComme/gaiyou1207.pdf
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第12条の一部改正(案)の概要について
改正の理由
改正に至る経緯
いわゆる盗撮行為を含む、人の性的尊厳と平穏な生活を侵害する卑わいな行為については、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(以下「県条例」という。)第12条により規制されています。
しかしながら、近年における犯罪を取り巻く情勢の悪化、写真機等の著しい技術革新、カメラ付き携帯電話の普及等により、
○家庭の風呂場等に入浴中の人の裸体を盗撮する行為
○会社や学校の更衣室等に隠しカメラを設置して下着姿を盗撮する行為等、現行の県条例による規制が及ばない「公共の場所又は公共の乗物」以外の場所での盗撮行為が深刻化するとともに、
○カメラ付き携帯電話をスカート内に差し入れる行為
○電車内等で卑わいな言葉を告げたり、息を吹きかけたりする等の行為等、現行の県条例では規制できない態様の卑わいな行為が発生するなど、県民や滞在者の皆さまの安全と平穏が著しく阻害される状況が生じています。
そのため、これらの行為に的確に対応し、公共の安全と秩序の維持を図る必要があることから、県条例を改正しようとするものです。
県警察では、昨年5月の本県警察官による救急車内における負傷者の付添人に対する下着の盗撮行為について、救急車が「公共の乗物」に当たらず、県条例の規制の対象とならなかったという事案を契機として、現行の県条例が抱える問題点を解消し、深刻化しつつある盗撮行為の危険から県民等の保護を一層図る必要があると判断し、「下着等の盗撮行為に係る場所的制限の撤廃」の検討を含め、現行の県条例の改正作業に着手したところです。
その過程で、昨年7月7日から8月4日までの間、盗撮行為の禁止について意見募集を行ったところ、83名の方から貴重なご意見をいただき、
○「公共の場所又は公共の乗物に限定しないで着衣で覆われている下着等の盗撮行為を規制すべきである」という事項に対しては、69名(約83%)の方が、条例又は法律により規制すべきである。
○「浴場、更衣室その他外部から内部を容易に見通すことのできない施設にいる人の全裸姿や半裸姿等を盗撮する行為を規制すべきである」という事項に対しては、69名(約83%)の方が、条例又は法律により規制すべきである。
との結果を得ることができました。
また、昨年8月に実施した「警察活動等に関する意識調査」では、1564名中、1118名(71.5%)の方が、公共の場所又は公共の乗物に限定しないで着衣で覆われている下着等の盗撮行為を規制すべきである」という意見であり、多くの方が盗撮行為の規制強化を望んでいることが判明しました。
以後、県警察では、こうした貴重なご意見を参考としつつ、人の性的尊厳と平穏な生活を侵害する卑劣な盗撮行為について規制を強化する方向で、関係機関との間で、時間をかけて慎重に検討を重ねてきたところ、
「盗撮行為により、一旦、画像が記録されれば、その画像が、インターネット等を介して回収不能な程度に頒布される危険性が高くなり、個人の権利、利益の侵害を超え、社会的な秩序の侵害と言えることから、社会的な利益を保護することを目的とする県条例で盗撮行為を規制すること自体に問題はないが、「いかなる場所における盗撮行為も規制する」ということになれば、余りにも広汎過ぎ、条例改正の限界を超える危険性がある。」
と考えられる一方、
「撮影されることを承諾しない典型的な場所である住居、浴場、更衣室、便所、その他、人が着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所に限定して、全裸若しくは半裸又は通常着衣等で隠している身体の一部を露出している状態を盗撮する行為を規制するというのであれば、条例改正の範囲内である。」
との判断に至りました。
そのため、今回の県条例の改正では、「着衣で覆われた下着等を盗撮する行為」については、従前どおり、「公共の場所又は公共の乗物」に限定する一方で、「住居、浴場、更衣室、便所、その他、人が通常着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」における「着衣等の全部又は一部を着けない状態でいる人を盗撮する行為」を新たに規制することとしたものです。
この結果、県条例改正の発端となった「警察官による救急車内での付添人に対する下着等の盗撮行為」という極めて限定的なケースへの適用は依然として困難であるものの、
○従来「公共の場所又は公共の乗物」に限定されていた盗撮行為の規制を、県民等の平穏な生活が保障されるべき「住居、浴場、更衣室、便所、その他、人が通常着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」にまで拡大することができること
○「救急車」という場所そのものについても、「人が通常着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」として規制対象に含み得ること
等により、現行の県条例では規制が及ばなかった「その他の卑わいな行為」を新たに規制の対象とすること等と併せて、現行の県条例の抱える問題点を相当程度解消することができ、県民や滞在者の方々の性的尊厳と平穏な生活を保持するという県条例の趣旨を達成する上で意義のあるものと考えています。
改正の要点
今回の県条例の改正(案)により新たに規制されることとなる行為等は、以下のとおりです。
1「人が着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」における盗撮行為の規制
現行の県条例では規制していなかった「住居、浴場、更衣室、便所、その他、人が着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所において、全裸若しくは半裸又は着衣等で隠している身体の一部を露出している状態を盗撮する行為、例えば、
○入浴中の人を道路や隣接する建物内から盗撮する行為
○会社の更衣室や学校の部室に隠しカメラを設置して、下着姿を盗撮する行為
○会社や病院の従業員用便所にカメラ付き携帯電話を差し入れて用便中の姿を盗撮する行為
2「公共の場所又は公共の乗物」以外の場所からの透視又は盗撮行為の規制
透視機能付きカメラ等を使用した透視又は盗撮行為については、現行の県条例では、行為者及び被害者の双方が「公共の場所又は公共の乗物」に存在していなければ規制できませんでしたが、今回の改正(案)により、行為者が「公共の場所又は公共の乗物」以外の場所から公共の場所等にいる人を透視機能付きカメラ等を使用して透視又は盗撮する行為、例えば、
○自宅や自分の車の中から道路や公園等を歩いている人を透視機能付きカメラで透視又は盗撮する行為
○自宅や会社事務所等から、公営プールで遊んでいる人の水着姿を透視機能付きカメラで透視又は盗撮する行為等を規制する規定を新設しました。
3「公共の場所又は公共の乗物におけるその他の卑わいな行為」の規制
現行の県条例では規制していなかった「公共の場所又は公共の乗物におけるその他の卑わいな行為」、例えば
○カメラ付き携帯電話をスカート内に差し入れる行為
○電車内等で耳元で卑わいな言葉を告げたり又は息を吹きかける行為
○傘の柄等で臀部や胸部を執拗に触る行為等の卑わいな行為を規制する規定を新設しました。
4罰則現行規定と同様であり、規定に違反した場合の罰則は、
○6月以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。常習の場合は、
○1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。