児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

落書きの抗弁

 掲示板事件の常として、字面で判断すると思いますけど。

http://www.j-cast.com/2007/12/13014502.html
池内ひろ美さん「殺害予告」で14日判決 弁護側は「落書き」と無罪主張
2007/12/13 コメント(1)
「氏(し)ね」などと物騒な言葉が日常的に飛び交うネットの世界。そんな中で、評論家の池内ひろ美さん(46)を殺害する予告を書き込んだ会社員男性(45)が逮捕され、2007年12月14日に判決を迎える。検察側は、許容範囲を超えていたとして、厳罰を求めている。書き込みが許されるのはどこまでなのか。
「売り言葉に買い言葉で書いていた」
会社員男性が逮捕後、閉鎖されたままの池内ひろ美さんのブログ 新聞各紙によると、東京都日野市の会社員男性は、脅迫と威力業務妨害の疑いで2007年2月27日、警視庁に逮捕された。池内ひろ美さんがブログで職業差別発言をしたのに謝罪しないなどとして立腹。池内さんが名古屋市内で行う予定だった講演当日の06年12月20日未明、2ちゃんねるに「血で染め上げる」「教室に灯油をぶちまき火をつければあっさり終了」などと書き込み、講演を中止させた疑いだった。投稿者情報のIPアドレスは、2ちゃんねる管理人の西村博之氏が警察の請求で開示した。
男性はその後、起訴され、検察側は、07年10月5日に開かれた東京地裁での公判で、「陰湿で卑劣な犯行」として懲役1年6月を求刑した。
これに対し、弁護側は、無罪を主張している。朝日新聞の12月11日付記事によると、その理由は「ネット掲示板の常識を知っていれば脅迫とは読めない」ということだという。
ここで言う「常識」とは何だろうか。記事によると、被告は法廷で、自らの過激な書き込みに執拗にからむようなほかの2ちゃんねらーに、「いらだっていた」と説明。「血の海になりますよ〜」「これは犯罪予告だ!」といった自らの書き込みは、ねらーに向けて書いたに過ぎず、「池内さんに危害を加えるつもりはなく、そういう内容とも思っていなかった」という。被告の弁護人も、「『犯罪予告だ』というのは反語(アイロニー)であるのは明白」「(2ちゃんねるは)通称『便所の落書き』」と説明している。

追記
 2ちゃんねるの常識云々より、2ちゃんねるにも日本の法律が適用されることを忘れないでほしいですね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000043-jij-soci
石井裁判官は「書き込みが加害行為の告知であることは文面上明らか」として、「脅迫の意図はなかった」との弁護側の無罪主張を退けた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000048-mai-soci
判決によると、被告は06年12月、池内さんが名古屋市で開催する講座に関し、「教室に灯油をぶちまき、火をつければ、あっさり終了」などと書き込んだ。弁護側は「主観的意見を述べただけ」などと無罪を主張したが、判決は「加害行為の告知であることは明らか」と退けた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000908-san-soci
石井裁判官は「書き込みが殺人、放火の犯行予告であることは文面から明らか」と指摘し脅迫罪の成立を認定。その上で「卑劣で悪質な行為であり内容も激烈で犯情は重い」と述べた。
 被告側は「書き込みは客観的な意見を述べただけで危害を加える意味はなく脅迫には当たらない」などと無罪を主張していた。
 判決によると、被告は昨年12月20日未明、自宅のパソコンからネット掲示板2ちゃんねる」に「教室に灯油をぶちまき 火を付ければ あっさり終了」「文化センター血の海になりますよ」などと記載。名古屋市内の文化センターで同日午後、講演を予定していた池内さんを脅し、講演を中止させた。
 判決を受けて、池内さんは「2ちゃんねるの常識を根拠に無罪を主張していたが、その理屈は一般社会で通用しないと裁判所が判断したのだろう。ネット犯罪に裁判所が厳しく対処し、止めさせることが最良の解決だと思う」とのコメントを発表した。