児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・強姦・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(強姦罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例違反)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

女子高生脅し裸の画像送らす行為の擬律

 これを、犯人の受信メールサーバの製造罪として構成して、
  被害者の携帯
   ↓
  送信メールサーバ
   ↓
  送信メールサーバ
は1個の製造行為による単純一罪であって、包括一罪とはしないというのが大阪高裁流(大阪高裁H19.12.4)
 最高裁は第2次製造を観念して姿態要件を論じているのだから、包括一罪説。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/6B7F594227E6068D4925711D00479488.pdf
 名古屋高裁金沢支部H17.6.9、札幌高裁H19.9.4とかも同旨。
 まあ、「姿態とらせて」を実行行為とすると、包括一罪説も成り立たないので、判例といっても不安定な判例です。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071205/crm0712052008027-n1.htm
 インターネットのホームページ(HP)上に携帯電話のアドレスを公開していた女子高生を脅し裸の画像を送らせたとして、横浜市の無職の男が警視庁捜査1課と葛飾署に強要容疑で逮捕されていたことが5日、分かった。男は靴下を買い取るといって女子高生に近づき要求をエスカレートさせていた。男は「30件くらいやった。金を奪ったこともある」などと供述しており、捜査1課はほかにも余罪があるとみて追及してい

阪高裁H19.12.4
(2)所論は,また,各児童ポルノ製造罪について,被害児童の姿態を撮影したカメラを内蔵する携帯電話と,その携帯電話からのメールを送信した送信メールサーバー,さらにはこれを受信したヤフーYの受信メールサーバーが順次児童ポルノになったと考えられるのに,上記各罪にかかる訴因では,そのうちのどの客体を製造した点が本罪に該当するというのか明確でなく,訴因が不特定であるから,公訴棄却すべきであるのに,実体審理を行い有罪判決をした原審の訴訟手続には,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある,というものである。
しかしながら,本件各訴因は,被告人が,被害児童に,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下,単に「法」という。)2条3項各号に掲げられた姿態をとらせ,これを携帯電話に内蔵したカメラで撮影し,その画像を電子メールで送信することにより,原判示のYが管理するメールサーバーコンピュータ上の被告人のメールボックスに記憶,蔵置したとしており,同メールサーバコンピュータを製造された児童ポルノとしているものであることは,その記載から明らかであるから,本件の訴因が特定に欠けるなどという非難は当たらない。
2法令適用の誤りあるいは理由不備の主張について
(1)所論は各児童ポルノ製造罪について,携帯電話から送信メールサーバー,及び送信メールサーバーから受信メールサーバーに対する各メール送信行為は,実体としては,児童ポルノの複製行為であり,そこには,児童ポルノ製造罪の実行行為である法2条3項各号に掲げる姿態をとらせる行為が含まれていないのに,児童ポルノ製造罪の成立を肯定した原判決には,理由不備あるいは判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
しかしながら,原判決が,所論のいう複製行為の部分のみを取り上げて犯罪の成否を問題としているものでないことは前記1(2)でみたとおりであって,児童ポルノ製造罪の構成要件に該当する被告人の行為を具体的に特定明示して有罪とした原判決には理由不備の違法はもとより,法令適用の誤りも認められない。
所論は,本件各画像が最終的に前記メールボックスに記憶,蔵置されるまでの過程で一時的に利用された携帯電話や送信メールサーバーをそれぞれ独立した製造物ととらえる見解に立って原判決を論難するものであり,原判決とは前提を異にする独自の主張であって,失当というほかない。

 昔、DPEで現像中に検挙されて、ネガ段階は児童ポルノなのかが争われて、中間媒体も製造罪だという大阪高裁判決がありました。
 それで実務は中間媒体の特定もやっているのです。
 中間媒体はどの程度の持続性があれば、独立した児童ポルノとなるのかが新たな疑問です。