児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

捜査段階の弁護人選任届、弁護人は記名・押印でいいよ

 というのが大阪地検だそうです。
 奥村はこれまで

弁護人選任
○○警察署長殿
 被疑者 署名・指印
 弁護人 記名・押印

でやってきましたが、最近、大阪地検から突っ返された。

 弁護士会からは

弁護人選任
○○警察署長殿
 被疑者 署名・指印
 弁護人 署名・押印

でやるものだと言われたのですが、実は起訴前の弁護人選任届の様式については、様式が法定されていない。
 むしろ、規則17条の文理解釈によれば、連署してない場合は、起訴までに限り有効ということになって、捜査段階では有効になる。

規則
第17条(被疑者の弁護人の選任・法第三十条) 
公訴の提起前にした弁護人の選任は、弁護人と連署した書面を当該被疑事件を取り扱う検察官又は司法警察員に差し出した場合に限り、第一審においてもその効力を有する。
第18条(被告人の弁護人の選任の方式・法第三十条)
公訴の提起後における弁護人の選任は、弁護人と連署した書面を差し出してこれをしなければならない
第60条の2(署名押印に代わる記名押印)
裁判官その他の裁判所職員が署名押印すべき場合には、署名押印に代えて記名押印することができる。ただし、判決書に署名押印すべき場合については、この限りでない。
2 検察官、検察事務官司法警察職員その他の公務員(前項に規定する者を除く。)又は弁護人若しくは弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者が、裁判所若しくは裁判官に対する申立て、意見の陳述、通知、届出その他これらに類する訴訟行為に関する書類に署名押印すべき場合又は書類の謄本若しくは抄本に署名押印すべき場合も、同項と同様とする。

 しかし、奥村は、起訴後も記名押印のままで弁護人として活動しているのですが、18条違反ですね。これは60条の2で救済されてるんでしょうか?
 これまでいろいろ申し上げてきたのだが、果たして弁護人なんだろうか?
 これを理由に控訴して訴訟手続の法令違反を主張すれば、たぶん、追認してくれるんでしょうね。


追記
 一応、大阪高裁の見解が出ています。

阪高裁h20.4.17
2 訴訟手続の法令違反の主張について
  所論は、弁護人は、自己の記名押印のある弁護人選任届を提出した平成○年8月31日から自己の署名押印のある弁護人選任届を提出した同年9月6日ころまでの間、弁護人選任届には署名が必要であるとして被告人の弁護人として扱われなかったものであり、このように弁護権を侵害された状態で作成された被告人の供述調書(原審乙7、9)は違法収集証拠として証拠能力がないから、これらを証拠として採用し、これらをもとに有罪判決をした原審裁判所の措置には、刺決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある、というのである。
  しかしながら、関係証拠によると、本件に関わった検察事務官が、起訴前に提出された弁護人選任届に弁護人の署名を求めた事実があるとはいえ、それ以上に捜査機関が奥村徹弁護士の弁護人としての活動を妨害したような形跡はなく、同弁護士が被告人の弁護人として必要な弁護活動をすることに支障があったとは認められないから、所論が指摘する各証拠の証拠能力を肯定した原審裁判所の措置に所論のいうような訴訟手続の法令違反があるとはいえない。
  訴訟手続の法令違反に関する所論は採用できない。

 犯罪収益の最決の原判決です。