児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

シリーズ捜査実務全書9「風俗・性犯罪」

H19.8.15に第3版が出ています。
・最決H18.5.6が紹介されていること
・リンクについては、幇助のような記載になっていること
・撮影行為も(強制)わいせつ行為にあたること
・青少年条例違反と児童買春罪との関係

 観念的競合説と強制わいせつ・強姦のみ説があるようです。裁判所は観念的競合説。

p68(中川清明検事)
13歳未満の者に対し、対償を供与してわいせつ行為を行った場合、強制わいせつ罪の構成要件をみたすとともに、児童買春罪(児童買春及び児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律4粂)の構成要件をもみたす場合がありうる。この場合、強制わいせつ罪が児童買春罪と趣旨・目的を異にするものであることを根拠として、両罪が成立し、観念的競合の関係に立つとする立場もありうるが、強制わいせつ罪のみで評価し尽くされているとして、強制わいせつ罪のみが成立するとする立場も十分考えられるであろう。
p86(中川清明検事)
13歳未満の者に対する場合
強姦罪が児童買春罪と趣旨・目的を異にするものであることを根拠として、13歳未満の者に対償を供与して性交をした場合、両罪が成立し、観念的競合の関係に立つとする立場もありうるが、強姦罪のみで評価し尽くされているとして、強姦罪のみが成立するとする立場も十分考えられるであろう。

 そもそも、5歳児童と「アメ玉やるから触らせて」なんて「対償供与の約束して」わいせつ行為をした場合に、約束があると言えるのか疑問です。